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キャロットケーキと雪下にんじん

結人のキャロットケーキは、季節限定品です。

キャロットケーキを作り始めた頃は、季節に関係なく(一年通して人参が手に入る為)ご注文いただいた時などに作っていましたが、今は冬~4月頭までにしかお作りしていません。

2023年の1月にあの人参と出逢ってから…

岩手県北上市「馬場農園」(クレアクロップス株式会社)さんが育てている雪下にんじん。

園主の馬場さんは、県内の学校給食で岩手県産の食材がほとんど使用されていない事に疑問を持ち、もっと地元の野菜を食べてもらいたいと給食で使う食材についてヒアリング。
その結果、赤い色があると嬉しいということを聞き、子供たちが安心して美味しく食べられる人参を育てることにしたそうです。

人参栽培からの給食ではなく、給食からの人参栽培という流れに、面白さも感じました。


雪下にんじんは、その名の通り雪の下に埋まっています。
秋に収穫する人参を、掘らずに我慢し、一定の温度に保たれた雪の中で、人参が凍らないように自ら糖を蓄えるために、凍らず美味しい人参ができるそうです。

野菜や果物が持つ青臭さや酸味は、‟らしさ”があって私は好きなため、本来は酸味があるものなのに酸味がなく甘みが強い果物が美味しいと言われたり、青臭さや土臭さが全くない=美味しいということに、なんとなく違和感を感じています。

そして、この雪下にんじんはというと…
まったくクセがなくて、甘みが強い。
前述した私の考えだと、しっくりこないはずなのですが、素直に美味しいと思えるものでした。(どこから目線w)

人参嫌いな知人がバクバク食べられるほどで、知人曰く「人参じゃないみたい」。
この表現が正しいかは置いておいて…;


もともとキャロットケーキに使用しようと思っていたため、
これは!と早速試作。

これまで作ってきたキャロットケーキとは何かが違う。
水分量、甘み、味…総合的にみても良い感じ
砂糖の量を減らしたり、粉の配合を変えたりの微調整をしながら完成し、そこから、この人参でしかキャロットケーキは作らない(作れない)となり、季節限定のスイーツになったのです。

今季の製造は終了しましたので、また収穫の時期を待って作ろうと思います。