「それ何?」を解説!パランパルミル事業用語集(2024.11.8最終更新)
なんだかまだまだ増えそうな気はするのですが、フランスからの学びを重ねるたびにカタカナ用語がいろいろではじめたので、用語集も作っていきたいなと思い、この記事を作成しています。
日本になじむ形でこの仕組みを作っていきたいと願い進めているので、実は『パランパルミル』の名称自体も、そのまま活用していくか確定ではないのですが、noteや内部研修ではすでに用語を活用しているということもあり、『なんだっけそれ?』と思った時には見ていただけると嬉しいなと思っています<m(__)m>
◆パランパルミル
フランスの『地域で子どもを見守り、育てる仕組みをおこなう団体』です。民間主導で1990年に設立され、現在は専門職を中心として、さまざまな子どもたちと大人たちの懸け橋になっています。パリでは一番大きく展開されている団体です。
子どもたちには子どもたちのニーズを満たせる大人がマッチングされます。マッチングされる大人の選考は第3次選考まで行われ、その後はイーラーニングでの研修やパランパルミルに参加する大人同士での勉強会などの機会があり、マッチングも非常に丁寧におこなわれています。
すべての過程において、子どもたちの権利が優先されます。
マッチングされる大人はひとりの子どもにつき1人とは限らず、複数の大人がその子に関心を寄せ、できる人ができることをできるだけおこなう取り組みです。その中で1:1の信頼できる関係性が育まれ、健全で豊かな愛着形成がさまざまなマッチングの中でおこなわれています。
フランスでは「半里親制度」とされており、子どもたちに親のような大人を1,000人届ける、という思いを込めて名称がつけられています。
◆アソシアシオン(アソシアション)
日本で言うところのNPOに近く、非営利団体、非営利組織を指す名称です。
パランパルミルのアソシアシオンは、事務局機能やケースの管理、モニタリングなどをおこないながら多角的に子どもたちの権利が守られているかを確認しています。
パランパルミルは7地域圏16か所で展開されています。『地域圏』というのも聞きなれないですが、日本の「東北地方」「近畿地方」という考え方と近いかもしれません。
例えば一番大きいのはやはりフランスの首都、パリがあるイルドフランスなのですが、12人のスタッフで600組のマッチングを年間でおこなっています。
◆パラン・マラン
パラン・マランは「子どもたちのニーズを満たすためにマッチングされる大人」のことです。フランスでは男性がパラン、女性がマランと呼ばれているようです。
総じて『半里親』と訳されるわけですが、なんとなくこの名称は、日本語で聞くと実情とマッチしないなあ~と思っています。『地域の頼れる大人』というイメージです。
現在の日本では養育里親として日常的に子どもと向き合い、愛情をかけ、血のつながりを越えた子育てに頑張っておられる方がいたり、既存の制度が「里親」の名称を含んで用意されています。その中で、いろんな方の立場を尊重し、敬い、共存する仕組みにしていきたいと思うと、「パラン」のように新しい言葉を日本で使っていくのが一番しっくりするかな、という思いもあったりします。
日本語の「パパ」「ママ」のように小さな子どもでも発音しやすそうではありますよね。
◆フィルール
マッチングされる大人が「パラン・マラン」である一方で、子どもを「フィルール」と呼びます。
血縁関係のない子どもを指しますが、フィルールの家庭環境は様々で、実親が健在するケースもそうでないケース(孤児)もあります。親の別居や離婚を経験したケース、両親が未婚の状態で生まれたケースの子どもたちもいます。
◆パレナージュ
パランパルミルの事業である「子どもと、子どものニーズを満たせる大人をマッチングする」このことを『パレナージュ』と呼びます。
パレナージュをおこなう団体はフランスでもたくさんあります。
中でも『地域の頼れる大人』のパレナージュ団体は、主要な6団体によって「トゥス・パラン(Tous Parrains )」という全国協会も設立されています。
※主要な6団体
①パラン・パル・ミル(Parrains par Mille)は1000人の頼れる大人という意味で、1990年に事業を始め、現在パリにある「近くの頼れる大人」のパレナージュ団体4つのうち一番多くの子どものサポートをしている。全国に17か所支部がある。
②フランス・パレナージュ(France Parrainages)は1947年創業で1960年にフランスで初めて、「近くの頼れる大人」のパレナージュをおこなった団体。全国20か所で展開している。
③ユナフ(UNAF)はフランスの1,850 万家族を代表する機関として、国の子ども家庭予算の決定にも携わる。親をすることへの支援に関わる事業の一環として「近くの頼れる大人」のパレナージュも実施している。
④ユナップ(UNAPP)は2005に活動を開始し、47の県で運営している。
⑤グラン・パラン(Grands-parrains)は1998年創業、祖父母に普段会う機会のない子どもたちと、祖父母の役割を担うボランティアとの間に、継続的な愛情関係が育まれることを目指す団体。
⑥スクール・カトリック(Secours Catholique)は1946年に事業開始し、約1,000 人の従業員と67,000 人のボランティアで様々な事業を展開するなかで、「近くの頼れる大人」のパレナージュも実施している。
◆エデュケーター
フランスのエデュケーターについては安發明子さんの書かれた内容がもっともわかりやすいと思うので、私が説明するのは恐縮すぎます(笑)
是非みなさんもこちらを見ていただけると嬉しいです。
※https://greenfunding.jp/thousandsofbooks/projects/6908/activities/27486
そして、ここにあるターラちゃんの漫画を読んでいただけると良いかなと思うのですが、「路上エデュケーター」「ネットエデュケーター」と複数の種類があり、それぞれが子どもたちを支えています。
日本では「エデュケーター」と同じ役割はないのですが、私たちがパランパルミルを日本に導入しよう!と活動している中では、アソシアシオン(ウィーズ)でパレナージュする子ども、子どもの保護者、大人のみなさんと面談し、それぞれに伴走しながら、子どもを中心としたそれぞれの「よりよく生きる」を追求する立場として、スタッフたちがエデュケーターに近い役割を担うのかなと思っています。
ウィーズのスタッフにパランパルミル事業化の初期スタッフとして研修をしていますが、現在はエデュケーターのような肩書をおきつつ、みんなで学び合っています。
◆パレナージュ・ド・プロキシミテ
Parrainage de proximitéと表記されます。パランパルミルがおこなう「近くの頼れる大人」のパレナージュの取り組みがまさにパレナージュ・ド・プロキシミテです。
こちらに記載の内容は都度追記したり、活動の進捗によって補足をしたりしていきます。更新があったときには、タイトルのところに記載してお知らせしていきます。