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映画感想文

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2012年から続けている手書きの映画ノートの内容を、一部編集・アップデートして載せています。当時見た新作〜旧作まで様々。洋画が多め。レビューや批評というよりは、感想です。出演して…
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2024年8月の記事一覧

1ページに満たない映画感想<立ち上がれ、主人公!>2015年④

ナイトミュージアム エジプト王の秘密(2014年/ショーン・レヴィ/アメリカ) ベン・スティラーがとても良かった。 お馴染みの自然史博物館の面々や息子ニッキーとの関係も含め、主人公ラリーの成長がしみじみと感じられました。 最初はあんなに大変な思いをして夜警をしていたラリーが、展示物たちと信頼を築いていき、今や自然史博物館を守る存在となっている。いやはや、ナイトミュージアム好きとしてはなんだか感傷的になってしまいますね・・・。 展示物を動かしている原因である、エジプト王家

1ページに満たない映画感想2015年③<シニカルでメタフォリックな世界>

ある官僚の死(1966年/トマス・グティエレス・アレア/キューバ) キューバの映画は初めて。独特の空気感がありました。 叔母のために走り回る甥のフアンチンは、労働者証を取り戻すために奔走するも、行く手を阻むのは分かりにくく、面倒くさい決まりごと。行政や官僚に振り回され、真面目な青年が狂気を見せる変容っぷりが面白い。 官僚制度への批判だけでなく、きちんとブラックコメディに昇華されているところが良い。 ラテン系の言葉にはリズムや勢いがあって、見る人のテンションも上がってい

1ページに満たない映画感想2015年②<ヨーロッパのシュールなアニメーション>

ムーミン谷の彗星(2010年/マリア・リンドバーグ/フィンランドほか) 豪華ムーミン。 北欧俳優陣の声の出演が最高です。 まず、ナレーションのマックス・フォン・シドーが、冒頭から北欧の澄んだ空気感を作り出してくれます。ムーミン親子は、スカルスガルド親子がそれぞれ演じているのも良い。声もなんだか似ているように聞こえました。特に息子アレックスの声はとても特徴的なので(と言うか好きなので)、ムーミンというよりアレクサンダー・スカルスガルド様の冒険に思えてきてしまいます…。 スニフ