『水辺のブッダ/ドリアン助川』

何もかもを捨てて多摩川の川辺で暮らすホームレスの望太。幼い頃に別れた娘を思いながらも、自分の犯した罪を抱える、望太の絶望感は、あまりにも重く、読んでいて胸が苦しくなる。

人はそれぞれが心に傷を持ち、暮らしている。それを隠し通せるかどうかと言うだけで、誰もその幸福度など測れやしないし、そんなものはなにも意味がないのだろう。
娘との再会は、思い描いたものではなかったけれど、望太の望みを叶えた再会だったのかもしれない。

読後感は不思議と、清々しく、何か温かいものに満たされた。

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