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泣きたくなる音楽

坂本龍一さんのHappyendという曲を聞いてもの悲しい気持ちになっていた。

音楽によって想起される感情というのがあるのだから、任意の感情を想起するものを集めておくと、何らかの心理状態になりたいとき狙った感情を引き出すするのに役に立つかもしれない。
21世紀なんだから、アンドロイドだって電気羊の夢を見るだろう。

というわけで感動を想起するものを集めた。
郷愁やさみしさに寄せようと思ったが、少し毛色違いのものも入っている。

※個人の主観によるものであり、万人に対して特定の感情を想起するものではありません。

坂本龍一 - Happyend

思い立ったきっかけ。
はじめの和音から郷愁を感じるし、構造的に聴いても楽しい。
Happyendという曲名と、実際の音楽から感じるところがズレるので、「この曲が流れるハッピーエンドってどういうものだろう?」と考えてみると色々な着想がある。
同じアルバムに入っているThousand Knivesも大変泣ける。
もちろん戦場のメリークリスマスも最高に泣ける。

Steve Reich - Daniel Variations

スティーブ・ライヒという現代音楽家の、Daniel Variations。
この曲はISIS(イスラム原理主義者)に殺された、ダニエル・パール氏への追悼として作られた曲だ。
歌詞は、聖書と、そしてダニエル・パール氏の遺言から取られている。

同じフレーズを繰り返しながら、少しずつ変化し、折り重なることで音楽が展開していく。
好みが分かれる曲(ジャンル)だというのは承知しているが、どうか第2楽章のヴァイオリンが入ってくるところまで聴いてほしい。
第2楽章まで聴いて、嫌になっていないならそのまま第4楽章まで聴いてほしい。
重苦しく、薄暗い世界と、それでも、だからこそある祈り。
美しい旋律と、恐ろしさ。平穏への願い。

ミニマルの巨匠たるライヒ。彼の作品の中では比較的新しいもので、メロディーがしっかりあるので、ミニマル作品にどっぷり浸かっているわけではない(私のような)人にとっても馴染みやすいものだと思う。

彼や、彼の音楽については、私よりも詳しい人に語ってもらうべきだろう。

同じアルバムのVariations for~も間違いなく泣ける。
なお、ライヒはコアなファンが多く、そういう人に「ライヒ好き!」と伝えると大喜びで手を叩き始めるので危険だ。(ハンドクラップを用いた曲がある)

上原ひろみ - Place to be

中学生の頃からずっとファン。
初めて聴いたときの衝撃が強すぎて若干神格化されている。

私のあるべき場所、いるべき場所。
ここではないどこか。
無何有郷への憧れ、郷愁を感じる名曲。

Blue Noteでのライブに1回だけ行けたことがあり、良い意味でライブとCD音源が変わらないと感じる。
普通のバンドのように、CDに綺麗な音源、ライブで生の音、というわけではなく、CDの中にちゃんとライブの音が入っている。
漫画家の作画を生で見たような、最高のダンサーが見せる身体表現を見たような。
美しいものが目の前で生み出されている!という感動が、そのままCDに入っている。

同アルバムからはSicilian blueやPachelbel's Canonも好き。
フュージョン色の強いTime ControlからはDeep into nightがおすすめ。

チック・コリアとの共演音源もあります。

Branford Marsaris - A Love Supreme

イントロが夢のように美しい。
たまにイントロだけ聴きたくなる。
タイトルは和訳すると『至上の愛』。

Oren Lavie - Her Morning Elegance

朝の目覚めに美しいビブラフォンとエレクトリックピアノ。
コーヒーの匂いと霧雨が滴る音がする。

The Opposite Site of the Seaもいいイントロと弦が聴ける。

Joel Remmel Trio - Lumekristall

イントロが始まった瞬間に美しい。
冬の山、雪の結晶、溶け出す音。
冬と春を感じる。

学生時代、タワーレコードがレコメンドしてたところに通りがかったのが運の尽き。
このイントロを聴いた瞬間にアルバムを購入してしまった罪深い曲。

Joey Alexander - Affirmation III

インドネシア出身の天才ピアニスト、Joey Alexanderより1曲。
今しがた調べてみたら16歳でグラミー賞ノミネートされたらしく、まさに天才。
今後が楽しみな若手。
この曲というかアルバムを通して聴いてください。

My Favorite Thingsもいい。

Bill Evans - Peace Piece

ひたすらに美しい、独白のようなピアノソロ。

なんというか、助けを求めたいような気持ちになる。

ジャズピアニストと言えば!そう、Bill Evans!というレベルの有名ピアニスト。
ジャズを聞かない人でも名前は知っているかもしれない。
ひとつの黄金期を生きた、伝説的なプレイヤーのひとり。
知らなかったならこの機会に覚えておくと知的に振る舞える。

Bill Evansで検索すれば多くの曲が見つかるし、ライブによっても演奏が異なるので、いくつもの音源を聴いて自分の中のベストテイクを探してみても面白い。

haruka nakamura

郷愁を感じるアンビエント。
どこか遠くを感じるけど、日常から離れすぎない距離感が良い。
ひとりで寂しくなりたいときに聴く。

Harmonica Creams

ケルト+ブルースの日本人バンド。
フィドル、ハーモニカ、ギターで構成されていて、異国感がありつつも懐かしさを感じる良いバンド。
当たり前なんだけど、やっぱり物理的に楽器が違うと聴いたときの体験が違う。
異郷に思いを馳せるときに聴く。

久石譲 - Oriental Wind

伊右衛門の曲でおなじみ。
CMで知ってるだけで通して聴いたことがない、という人は損してるので絶対全部聴いてください。

Raujika - Aurelien Light

ちょっと寂しいけどあたたかくもある。
Zucca Zuccaも好き。

Serph

ヴィレッジヴァンガードでふらっと出会って以来ずっと好き。

AIKATSU☆STARS! - Good Morning My Dream

初めて聴いたときに驚いたアニソン。
おもちゃ箱のようで、それでも夢に憧れるだけでなく、夢と一緒に前を向かせてくれる名曲。
さみしさというよりはしっかり前を向くための曲。
趣旨と違うか。

同じ作者では花ハ踊レヤいろはにほも最高。

サカナクション - ネイティブダンサー

素敵サウンドとオシャレPV。
冬の雨の夜とネオン。
初期のサカナクションはいい。
今のサカナクションもいい。

Toe - グッドバイ

ゆっくり始まるイントロから、少しずつ駆け出すように展開していく。
土岐麻子さんの声と合わせて最高になる。

クラムボン - タイムロス

霧の中でエレクトリックピアノに急かされながら待ち合わせ場所を探し続ける。
繰り返されるピアノと語りが気持ちよく続く。
雨か曇りの日、誰かに会いたいとき。

nyankobrq & yaca - twinkle night feat. somunia

現代っぽい歌詞とビートが気持ちいい。
ちょっとさみしい雰囲気とかわいい声。
深夜から早朝に一人でいるときのさみしさ。

The Greatest Showmanより - This is me

自分を認めない社会を知りながら、高らかに自分を認めることを歌い上げる名曲。
キアラ・セトルさんのワークショップでの様子はこれ以上なく感動的。
私たちは音楽に救われる。
ささいな出会いから、人生が変わることだってある。
心を動かすことをやめないように、もがいて、探し続けていこう。

おわりに

もともと外出頻度が低いので、コロナのせいで外出が…!というわけではないんですが、この機会に文化の価値を思い出したいな~!と整理してみました。
思い出しながら、プレイリストを見ながら並べてみましたが、なかなかどうして忘れているものがたくさんありますね。

米津玄師も入れたかったし、Red garland(ジャズピアニスト)の最高のイントロが思い出せないし、吹奏楽からは風紋も入れたかった。
途中で曲名を入れていないところは、選曲がしんどくなって諦めたものです。
もう体力と集中力が限界です…ここまでで4時間くらいかかっているので…。

感動的な曲、これは聴いておけというものがあればぜひ教えてくださいね!

番外編

音楽じゃなく、感動したいときに見る動画。


ご覧いただきありがとうございます! 知りたい内容などあればご連絡くださいね。