名作ゾンビFPS『Left 4 Dead2』の後継である『Back 4 Blood』はド真ん中ストレートな良作でした。
「昔プレイしていたあのゲーム、今の技術で続編が出たら最高なのにな…」
そんな夢がひとつ叶いました。
お
おもしれ~~~~…!
前作『Left 4 Dead2』は何がすごかったのか?
そもそも知らない人向けに前作について簡単に解説しておきます。
Left 4 Dead2(以下、L4D2)は2009年にValveというメーカーから発売された、ゾンビFPSです。
Valveが放つ最新作として発売され「Best of E3」も受賞した、あの「LEFT 4 DEAD」の続編、「LEFT 4 DEAD 2」が堂々登場!
襲い来るゾンビの群れやおぞましい突然変異ゾンビ「特殊感染者」に立ち向かう4人の「生存者」の戦いが、まるで映画のようにゲーム化!
チームの団結なしには生存不可能なゾンビの黙示録の世界が、さらなるパワーアップを得て帰って来た!
(上記リンクより抜粋引用)
謎のウィルスで人類ゾンビ化!
来襲する大量のゾンビ!
それに立ち向かう生存者!
とてもシンプルで伝統的なゾンビ映画のストーリーですが、ここで重要なのは、そのプレイ体験を支えているAI Director2.0というシステム。
AIが舞台をコントロールすることで、プレイごとに最高のゲーム体験が得られる
AI Directorは、ざっくり言えばAIがリアルタイムに難易度調整をしてくれるシステムです。
ゾンビの襲来による緊張があり、戦闘を切り抜けたあとにほっと息をつく時間があり、しかしまた次の危機が迫ってきて―――
このようなハラハラドキドキの連続を、ゲーム自体が都度デザインしてくれるという仕組み。それがAI Director。
プレイヤーが上手くプレイすればそれに応じた難易度となり、ほどよいペースの緊張と緩和が、プレイごとに毎回異なる味わいでやってくる!
古くはゼビウスからある難易度調整ですが、L4D2はそれをさらに1段上に引き上げた、エポックな作品であったと思います。
詳しくは以下リンクの53ページ以降も参照ください。
カードシステムが生み出す『ゲームとプレイヤーのコミュニケーション』
さて、ようやく新作Back 4 Blood(以下、B4B)の話です。
続編であるB4BにもAI Directorのシステムが導入されており、毎回異なるゲームプレイが味わえます。
また、今回はカードシステムが追加され、プレイヤー側もゲーム側も、カードを選択することでゲームプレイを変化させることができるようになりました。
プレイヤーは事前に準備しておいたデッキからカードを選択していくことで、『移動速度+10%』『体力+15』といった強化を得られます。
火力が高いけどすぐ死ぬとか、めっちゃ回復してくれるけど足が遅いとか、プレイスタイルに応じて様々な特徴をもたせることができます。
これ好き
このカードシステムによって、プレイヤー側はデッキ構築やプレイスタイルの特化といった楽しさが得られるようになりました。
「このカードとあのカードを組み合わせたら面白いかも…!?」とシナジーを考えるのは楽しいですし、デッキに入れられるカード枚数は制限されているので、「こっちを入れたいけどこっちも捨てがたい…」というジレンマも生まれます。
また、フレンドとチームを組んでプレイする場合は「俺が前衛で守るから後衛で回復頼む!」という分担も可能になります。
反対に、ゲーム側が選ぶカードは『退廃カード』と呼ばれ、ステージ開始時やステージ途中に「このステージではこれが起きるぞ」「次はこういうイベントがあるぞ」と示されます。
ゾンビが走るようになったり、自爆するゾンビのみが大量に発生したり…といった、プレイヤー側のデメリットになるイベントが予告されるわけですね。
アーマーに弾かれる音聞くだけでキレそう
そしてこのカードシステムがなぜ重要なのかというと、AI Directorが退廃カードによってプレイヤーにメッセージを送ることができるなったことです。
L4D2では、『ゾンビが大量に湧いてきた』『回復ポイントがたくさん手に入る』という、ゲームの出来事でしかAIの判断を知ることができませんでした。
しかし、このカードシステムによって、「ステージ開始時から厳しい退廃カードがオープンされている」「ステージの山場で次々に退廃カードが追加される」という形で、AI Directorからの挑戦状が届くようになったのです。
「今難易度上げたからな!覚悟しろよ!」というAI Directorからのメッセージが届くことで、プレイヤーは今後起きる危機を予測し、緊張すると同時に期待します。
AI Directorからの予告(期待)→イベントの発生(期待の成就)→チームの連携による突破(達成感の獲得)というサイクルによって、プレイヤーの感情にさらなる緩急が生まれます。
このように、退廃カードの提示を通じて、AI Directorはプレイヤーの期待感をコントロールすることができ、単なる難易度調整だけではない、ゲームとプレイヤーの間のコミュニケーションが生まれます。
PvE(プレイヤー vs CPUの対戦)のジャンルでありながら、非常に高いリプレイ性を誇ったL4D2。
そしてそれを更に洗練し発展させたB4B。
ぜひ遊んでみてくれよな!
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