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デザイナーがITパスポートを受けたら結構勉強になった話

先日、話題のITパスポート試験を受けまして、無事合格しました!
2023年7月現在、ITパスポートというのはこのような形で話題になっています。

こちらは賛否両論あるようですが、「ITパスポートなんてとって意味あるの?」といった疑問の声も少なからずあるようです。

私も受ける前は「まあ私ってばIT業界でデザイナーとして働いてるし?すんなり受かるでしょう〜」と鷹を括っていました。しかし結果、意外と難しくて点数としてはギリギリでしたし、ITを本職にしている私としては割と勉強になりけっこう楽しかったです。
そこで今回得たものを、忘れないうちにまとめておこうと思います。

受験の目的

社内のエンジニアさんとの意思疎通をもっとできるようになりたいと思い勉強することにしました。中でもIT技術系の資格で一番ハードルの低そうなITパスポートなら最初に良いかなということで、受験を決めました。

ITパスポートではエンジニアリングはできるようにはなりませんが、お話しできるようになりたいという目的にはあっていた気がします。

全体的な感想

試験範囲は毎年広くなり続けてる

まず勉強し始めて最初に感じたのが、「去年、一昨年の試験範囲から増えすぎじゃね?」ということです。
ITパスポートは年々難化していると言われていて、時代に合わせて内容を更新しています。今年の範囲ではほとんど教科書に出てこなかったデザインの範囲が出たりしました。
実際働いていて、IT知識として求められる量もじわじわと増えている感覚があるので、現実に即している感じがします。

外注できるようになる試験

これはいろんなところで言われていますが、実際自分が作ることを想定していると言うかは、外注した時などにうまく納品、運用まで持っていける知識を身につけることを目的にしていそうでした。

しかし基礎情報処理者試験などは最初から受けるにはハードルが高いので、大きく網羅的にざっくりさらえるこの試験は個人的にはちょうどよかったです。

内容の感想

権利関係の勉強ができてよかった

意匠権、商標権、肖像権、著作権あたりの知識を今のうちにざっくりつけられてよかったです。
ボールペンがあったとして、ペン自体が意匠権、ペンで書いたものが著作権、ペンで書いたロゴを申請したら商標権、ボールペンのペン先のボールが特許権と覚えました。

最近プーさんのホラー映画が出たり、ソファなどのリプロダクト品は期限が切れたから作れるものということも知りました。

一緒に勉強していた友達が、「じゃあ期限切れてるからピラミッド作ってもいいってこと!?」って言っていて笑いました。権利的には良さそう。

2要素認証と2段階認証あたり、知らずにデザインしていた

UIデザイナーとしてサインイン/サインアップの画面を作るときなどに、たまーに「2要素認証や2段階認証が必要ですよ!」ということがあります。

ここからは懺悔ですが私はこれまで、「なんとなく必要なフロー」としてよく分からず捉えていました。それを今回、なぜ必要なのか大きく理解することができてよかったです。

二段階認証は認証の種類に関わらずに二段階で認証をすることでセキュリティを上げる方法です。こちらは総当たり攻撃などのサイバー攻撃に強い認証

二要素認証はざっくりいうと3種類の認証(生体、所有、知識)の中から2種類を用いて認証することで本人確認の精度を上げる認証です。そしてこちらは性質上二回やらないといけないので、実質二段階認証でもある。むずい

テストっていっぱいある

今まで私が触れるテストって、QAチームの開いてくれていたQA会のみでした。こちらは実際に操作して挙動をチェックしますが、テストにもホワイトボックステストとブラックボックステストがあり、それぞれ見ている観点が違うあたりは学んでおけてよかったなと思いました。

サーバーの話にふんわ〜りついていけた

サーバーサイドのエンジニアの方が「結局は社内に持つ方がいいですよね〜」みたいな話をITパスポートの中で見た用語を使って話していて、「試験ゼミで見たやつだ!」となりました。
受けなかったらちんぷんかんぷんなままだったので嬉しかったです。

オプトイン/オプトアウト

メールの会話で出てくるオプトイン/オプトアウトなどの言葉をよく意味わからずに使っていたので、知識として入れられてよかったです。
メール受信設定はただ設定なだけでなくて割と決まりがありました。

犬が可哀想に使われがちでおもろい

ビジネスの4区分でマーケットシェアも低く市場成長率も低い領域を「負け犬」と呼んだり、無駄に模索して時間を浪費することを「犬の道」と呼んだり、犬が不便な目に合いがちでした。

カラーコードって16進数でできてるの!?

色彩学を大学で学んだ身として恐縮ですが、初めて知りました。というかよく考えていませんでした。
おもしろ!となって2進数を指で数えられるようになりましたが、特に仕事に役立ってはいませんしテストにも出ませんでした。

その他

試験方式がよかった

私は友人3人と受けましたが、全員答えた問題が違いました。PCで答える方式で、何千問もの問題の中からランダムに出されるそうで、こんなカンニングの防ぎ方もあるんだな〜と思いました。問題の中には点数のつかないリサーチ問題もあって、今後の作問に生かされるそうです。

あとは後で解き直せるようにチェックをつけられて、後でまとめて見返せるのも新鮮で、時間を有意義に使うことができました。

友達と受験すると楽しい。

今回は友達が誘ってくれて受けたのですが、前日にドトールで朝から晩まで詰め込んだり、問題出しあったりして高校生みたいで懐かしかったです。
個人的にも緊張感があってよかったので、また友人と何か勉強してみようと思います。今回は1,2ヶ月で受けましたが実質勉強期間は2週間くらい。


以上でした!
結論、「やらないよりやった方が良かったけど、本職の皆さんはいらんかも」という所感でした。エンジニアリング知識に不安があるが今更言えね〜!という私みたいなデザイナーは受けてみても良いのではないでしょうか!


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