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狂犬病予防法(昭和25年成立時)/ 第二章 通常措置(予防注射)第五条

今のではなく、昭和25年に出来た時の狂犬病予防法を読み続けています。

通常措置、つまり「狂犬病が発生している・いないに関わらず、いつも行うこと」の中の「予防注射」について。

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(※條を条に直したり、当時の文字と違う書き方をしています)

第二章 通常措置
(予防注射)
第五条 犬の所有者(所有者以外の者が管理する場合には、その者。以下同じ。)は、その犬について、厚生省令の定めるところにより、狂犬病の予防注射を六箇月ごとに受けさせなければならない
2 保健所長は、前項の予防注射を受けた所有者に注射済票を交付しなければならない。
3 犬の所有者は、前項の注射済票をその犬に着けておかなければならない

国立公文書館デジタルアーカイブ 狂犬病予防法・御署名原本・昭和二十五年・法律第二四七号

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概要

今とそれほど違いはありませんね。大きな違いは、予防注射が(一年毎ではなく)六箇月毎
・狂犬病予防注射を六箇月毎にうつ
・その時、注射済票が交付される
・注射済票を犬に着けなければならない

第四条で「鑑札を犬に着けなければならない」となっていますので、予防注射が六箇月毎なこと以外は今とかわりはないようです。

一年毎になったのはいつ?

昭和60年(1985年)に、狂犬病予防法の改正法としてではなく、以下の法律により改正されている。
地方公共団体の事務に係る国の関与等の整理、合理化等に関する法律(昭和六〇年七月一二日法律第九〇号)第二十条」

(狂犬病予防法の一部改正)
第二十条 狂犬病予防法(昭和二十五年法律第二百四十七号)の一部を次のように改正する。
 第五条第一項中「六箇月ごとに」を「毎年一回」に改める。

地方公共団体の事務に係る国の関与等の整理、合理化等に関する法律(昭和六〇年七月一二日法律第九〇号)第二十条

昭和六〇年にも狂犬病予防法第五条一項だし、今もです。狂犬病予防法の骨格部分はほぼ変わっていません。

あまりに変わっていないようなので

今(令和六年)に有効な狂犬病予防法と比べてみました。

 厚生省 → 厚生労働省
 六箇月ごとに → 毎年一回
 保健所長は、→ 市町村長は、政令の定めるところにより、

「六箇月→一年」以外は、省庁の名前が変わったり、指定都市制度(地方自治法第二百五十二条の十九)や特別区制度(地方自治法第二百八十一条)が今はあるからで、ほとんど同じですね。

個人的に気になるのは「市町村」であり「区市町村」でないこと。地方自治法第二百八十一条にて「市と同等の機能」みたいなことが書かれているからなのだろうか(あまりに変わっていないので、細かいことまでnoteしておきました)。

(今回はこれだけ)


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