19:57

19:57。
しとしとと雨が降りだす。

濡れたコンクリートの埃っぽい匂いが、私の季節を急に動かしはじめる。

空を仰ぐと、頬やまぶたで受ける雨が心地よく、少し湿ったぬるい空気がスカートの裾をふわりとかすめてゆく。

ああ、なんて素敵な夜。

私は自由で、このままどこまでだって行けそうな気がする。

雨の音がすべてを包むこの世界で、
たった一人の、誰も知らない私。
私だけが知ってる私。

おかえり。
また会えて嬉しいよ。

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