またあの喫茶店で
病気になって、誰にも会いたくなくなって、大学の授業をどの友人とも被らせずに取っていた去年の春、単位が足りないからって理由で月曜から3コマも取っていた彼。
ゼミの中で仲良いメンバーのひとりではあったけれど、その中でも特段話す方ではなかったと思う。
月曜日のゼミ室で鉢合わせして、その時からちゃんと話すようになって、ゲームしながら通話をするようになって、なんとなくお互いがお互いを好いていることを実感した。
大学時代は遠距離だったのに、バイト前でも会いたいからって、遠くからわざわざ会いに来てくれたね。
私にとって初めての恋人だった。
自分の世界に溺れていた私を救ってくれた人。真逆の性格だから、あの時の私の負の気持ちを払拭してくれたし、今までしたことないことも沢山経験した。私の世界だけじゃなくて私と彼の世界が出来てから、どんなに小さな事でも共有したいと思った。
そんな私たちが社会人になって、予定も生活リズムも全く合わなくなって、私の理想と彼の理想の間にギャップが生まれてからなんだか毎日思うように進まなくなったね。私の中の記憶がそれを繋ぎ止めてくれていただけで、実際は負の感情になることが多かった。
でもそれは、お互いがお互いを変えられないからどうすることも出来なくて、沢山の改善策を2人で考えてきたけれど結局乗り越えられなかったね。2人で時間が欲しいと何度も口にした。
付き合って1ヶ月で終電を逃して父に会わせたこと。ゼミのみんなに2ヶ月間、付き合っていることを内緒にしていたこと。それが理由で始めてしっかり揉めたこと。笑 夏バテが酷くて打ち上げ花火は見に行けないから近所の公園で手持ち花火をして、一緒にブランコに乗って話したこと。一緒にaikoを熱唱しながらドライブに行ったこと。浅草に観光に行ったはずが、暑すぎてすぐに水族館に避難したこと。○○に行こうって言っていたのに、起きたら昼の11時だったこと。
別れたあとだと素敵な思い出しか残らなくて、ただただ寂しい気持ちになるだけだけれど、この先どうなるか誰も分からないから、私たちは今の生活を大切にするしか無いんだよね。
お互いが今より少し成長出来たかな、なんて思った時に、またあの喫茶店で煙草でも吸いながら近況報告でもしよう。
その時に私はもう禁煙してるかもしれないけどね、笑
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