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【シュタゲゼロ】アニメ版でカットされた衝撃の世界線の話

アニメ版シュタゲゼロの謎の描写

ゲーム「Steins;Gate 0」を原作としたテレビアニメ「シュタインズ・ゲート ゼロ」。

その「シュタインズ・ゲート ゼロ」の第4話のアバンタイトルを覚えているだろうか?

それは、第3話にてクリスマスパーティー中に突如、岡部のリーディング・シュタイナーが発動して終わったエピソードの直後のエピソードとして、あまりにも不可解であった。

前回との繋がりが全く感じられない謎の描写は、多くの視聴者を混乱させた。

第4話アバンタイトルの内容

その衝撃のアバンタイトルを忘れている人もいるかもしれないので、簡単に説明しておく。

リーディング・シュタイナーが発動した岡部倫太郎。
つまり、世界線が変動したのだ。
そこでの岡部は人々の死体の山と血の海を渡りながら、自衛隊員と思われる武装した兵士たちに連れられ、練馬駐屯地に向かっていた。
しかし、その直後に武装したヘリが銃を乱射し、自衛隊員とされる兵士たちは全員死亡。
困惑しながら走り回る岡部だったが、そこで急な場面転換。
謎の男と対面して着席している岡部。
何が起きているか分からずに困惑している岡部の元に一本の着信が入る。
再び、岡部のリーディング・シュタイナーが発動。
岡部は自室と思われる部屋で叫びながら目を覚ます。
どうやら一連の謎の描写は岡部が見た悪夢であったようだ。
岡部は安堵する。
世界編変動が起こるはずなどないと。
そこで、主題歌である「ファティマ」が流れる。

そしてOPが終わった後、前回からの続きが始まる。

まるで、何事もなかったかのように。

一体、このアバンタイトルはなんだったのか…?

謎のアバンタイトルは一体?

その謎のアバンタイトルの答えは、残念ながらアニメには存在しない。

それ以降、アニメでは全く説明されることはない。

では、一体第4話のアバンは何を意味しているのか?

この答えになるものは、原作である「Steins;Gate 0」にあるのかもしれない。

皆さんは、変動率1.382733%の世界線をご存知だろうか?

変動率1.382733%の世界線

変動率1.382733%は、ゲーム版ゼロのエピソードの一つである「永劫回帰のパンドラ」に登場した世界線で、アトラクタフィールドはβに該当する。

この世界線は他のβ世界線とはあまりにもかけ離れているため、印象に残っている人も少なくはないだろうが、アニメ版のゼロしか知らない、あるいはゲーム版の内容を忘れた人のためにもこの世界線について説明しておく。

まゆりたちが企画したクリスマスパーティーに参加した岡部。

しかし、Dメール送信もタイムリープも何もしていないにも関わらず、岡部のリーディングシュタイナーが発動、変動率1.382733%の世界線に到達。 

この世界線の岡部は自衛隊の迷彩服に身を包んでいるも、筋肉は全くと言っていいほどなく、この世界線での岡部が自衛隊員ではないのが容易に把握出来る。

この世界線での岡部は何をしているのか?
突然リーディングシュタイナーが発動し別の世界線へ移動した岡部がそれを把握することは容易ではなかった。
なぜ、岡部は自衛隊員の指示に従い、入間基地に向かっているのだろうか。
岡部はそんな疑問を抱きながらも、辺り一面には死体の山と血の海が散乱し、状況が理解できない岡部。

そんな岡部が自衛隊員から聞いた単語は、耳を疑うものであった。

"ソ連"。

ここは、ソ連が健在である世界線だった。
何故、ソ連が健在なのだろうか?
それは岡部にも分からなかった。

岡部が自衛隊員の指示の元でたどり着いたのは沖縄。

本来、岡部は入間基地に到着すれば空路ですぐに沖縄へ向かうことになっていたが、空爆による足止めにより、空路でなく陸路で九州へ移動することになったが、今度はソ連の工作員による襲撃に何度も遭った。

それにより、岡部が沖縄に到着するのは1ヶ月もかかってしまったのである。
自衛隊は、なぜ岡部に対してそこまでの保護を見せるのだろうか?
その答えは誰からも教えて貰えなかったが、岡部はとある事実を知ることになる。

それは、戦争により東京は壊滅し、防衛省は沖縄の在日米軍との協力体制を密にするために、沖縄を防衛の中枢としたこと、そこに岡部が向かっていること。

その後、沖縄にて岡部は自分を乗せた護送車の中でまゆりの友人である阿万音由季や中瀬克美と再会するが、防衛局の下山なる人物から岡部、由季、中瀬に聞きたいことがあると告げられる。

由季は下山から橋田至とその妹、鈴羽の消息を聞かれた。
この世界線においても鈴羽は未来からやってきており、橋田の妹として友人関係を築いていたのだろう。

下山は、なぜそのような質問をしたのだろうか?

岡部にはその答えの予想がついていた。

タイムマシンのことを知りたがっている。
岡部は自衛隊員との会話から、この世界線においても中鉢がロシアに亡命していること、そしてロシアによるタイムマシン実験が発端となり、日本を巻き込んだ戦争が起きていることを把握している岡部は日本の国際機関がタイムマシンの関連人物に目をつけ、保護という名目で拘束しようとしていてもおかしくはないと感じていた。

下山は、中瀬に謎の白昼夢について質問を始めた。
怯える中瀬に代わり、由季が下山を敵視しているような態度を見せながらそれを遮る。

しかし、下山は話を続けた。
下山によると、白昼夢を見る人々はソ連の書記長のプーシンをロシアの大統領だと答えることが明かされる。
岡部は自分以外の人間にもリーディングシュタイナーがあるという仮説が正しかったことに衝撃を受けた。

下山の質問は岡部へと移り、ベルリンの壁についてを聞かれ、岡部は教科書で習ったと言いかけたところで、下山の罠に気づく。

ベルリンの壁崩壊など、この世界線で起きているはずがないことに。
岡部は下山の罠にかかってしまった。

しかし岡部はそんなことより恐ろしいことに気がついたのだ。

クリスマスパーティーの日、ロシアはタイムマシンを使って過去改変実験を行ったのではないか?
その実験は、ソ連解体の阻止なのではないか?
たった一つの改変が、世界を大きく変えることになったのではないか?


そんな中、目的地に到着した岡部は大切な紅莉栖を犠牲にしてまで救ったまゆりと再会。

まゆりがこんな状況でも無事であることが岡部にとって、救いだった。

しかし、感動の再会も束の間。

アメリカ兵士によって下山たちが銃撃され、岡部は振り返る暇もなく、米軍兵士に車に乗せられてしまう。

その後、米軍兵士に会わせたい人がいると告げられる。


そこに現れたのは、Amadeus"紅莉栖"だった。

その直後、岡部のリーディングシュタイナーが1ヶ月ぶりに発動する。

気が付くと岡部は、ラボにいた。

これ以上説明するのは流石に良くないのでソ連健在世界線の詳細、今後の展開についてはゲーム版をプレイして欲しい。

カットされた理由は?

この衝撃的な世界線がアニメ版において、大幅にカットされた理由はなんなのだろうか。

内容があまりにも重すぎるからか?

その可能性はありえるかもしれない。

何故ならこの世界線はそれまでの流れに比べて遥かにシリアスで、視聴者を置いてけぼりにする可能性が極めて高いほか、アメリカやロシア(ソ連)の戦争を直接描いているため、下手に映像化すれば国際的な問題になりかねなかったのかもしれない。

それとも、話数の都合による省略か?

これもありえるかもしれない。

アニメ版「シュタインズ・ゲート ゼロ」はゲーム版のそれぞれの分岐シナリオを組み合わせてトゥルーエンドに到達するような構成であるため、ソ連健在世界線エピソードを挟む余裕がなかったと考えれば、ある程度納得できる。

何故ならこのソ連健在世界線編、結構長いのである。

忠実にアニメ化するとすれば、2話以上かかるのは間違いない。

後述の通りだが、このソ連健在世界線は描写しなくても「ゼロ」の物語には大きく影響は無いため、削られた箇所なのだろう。

描写の必要が無いと判断されたのか?

これもありえる。

この世界線は非常に重苦しくハードなものだが、仮にこの世界線の出来事を描写しなかったとしても、「ゼロ」の物語に大きく影響がないことは事実だろう。
実際、このエピソードの代わりに別のエピソードに繋がっていたりと、アニメ版はいろいろと工夫を感じることが出来るのも原作をプレイしてこそ。

もしかすると、ライターの筆が乗ってしまった結果、誕生した世界線なのかもしれない。

結論

アニメでソ連健在世界線が省略された理由に関しては、私が挙げたものは全て憶測の域を出ない。

しかし、4話で描かれた謎のアバンタイトルについてはソ連健在世界線の名残であると言えるだろう。

4話アバンの謎の描写がソ連健在世界線そのものでないとしても、なにかしらの関連があるのは明白。

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