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留学36週目

今週、オーストラリアで誕生日を迎えた。
半袖で迎える誕生日。
21歳になった。
年々アダルティーな響きになっていく自分の歳にドギマギする。
歳に見合うように早く精神的に成熟したい気持ちは山々だけど、子どもらしさ、無邪気さみたいなものはいつまでも大事に抱えていきたいなと思う。

去年は祖父が誕生日の数日前に亡くなり、お葬式後、ひっそりと家族に誕生日のお祝いをしてもらった。色々な感情が渦巻きはしたけれど、家族に直接お祝いしてもらえることが幸せだと思った。

今年はオーストラリアで、去年の今頃は存在すら知らなかった人たちに誕生日のお祝いをしてもらった。今年もまた幸せでいっぱいだった。誕生日ってよく考えたら何がめでたいのか分からないけど、よく分からないけど幸せをもらえる日って素敵よね。

・・・

そんな誕生日ウイークの気づき。


その1
不思議なことに、寮のご近所さんたちと誕生日がすごく近い。私のお隣さんは、私の誕生日の前日に誕生日を迎え、お隣さんのお隣さんは私の次の日が誕生日。だから、(なぜか誰の誕生日でもない私の誕生日の2日前に)3人で合同誕生日会をした。

そこで、子どもと大人、どちらがより自由かっていうかなり深い議論になったのね。この日の結論は、実際にできることの自由度は大人になると増えるけれど、子どもの方が可能性としてできること、思考の自由度で言ったら大人よりも断然自由ということで落ち着いた。

大人になると自己責任でなんでもできる。だけど、その "できること" が頭の中でかなり狭められている。世の中の常識とか周りの人の声にどんどんどんどん縛られて、気付かないうちに思考が自由でなくなっていく。それに比べて、子どもの頃は思考がのびのびしていて自由だった。小学生の頃ハリーポッターを読んで、ホグワーツの生徒たちが着ているローブを画用紙で作ろうとしたことをふと思い出した。自分は本の世界には入れないとか関係なく、ローブさえ作れば自分もホグワーツの生徒の気分になれるじゃんという発想。今ならできないなと思う。

自分が昔に比べ自由でなくなっていることに気づき悲しくなったところで、最初の方に言った子どもらしさを兼ね備えた大人になりたいという気持ちになったというわけです。


その2
誕生日に家族から誕生日のお祝いメッセージが送られてきた。不覚にも泣いてしまいそうになった。なんか、私実は寂しいのかなとか思った。

そこでたまたま私の大好きなしおちゃんが配信しているポッドキャストを聴いた(「しおの日々ふせん」!)。しおちゃんが言っていたのは、人と理解し合って重なり合う部分はもちろんあるだろうけれど、人それぞれ性格や考え方、生き方が違うのだから、誰とも重なり合わない余白があることも自然なことだよねということ。そして、誰にも理解されない余白があるからこそ、人はみんな孤独を感じるものだし、その余白をどれだけ楽しめるかが人生を楽しく過ごす鍵を握っているよねみたいなことを言っていた。

ものすごく腑に落ちた。どこへ行っても誰と出会っても自分を完全に理解してくもらえないと嘆きがちだったけれど、誰にも理解されない部分があるからこそ自分に価値を見出せるのだし、理解されなくて孤独を感じることがあるからこそ、誰かと重なり合う部分を見つけて理解し合えたと感じる瞬間が愛おしく感じられる。

寂しいと感じるのは自然なことなのだというしおちゃんの言葉に救われた。いろんな言葉で溢れている世の中だけど、自分に必要な声を丁寧に選んで耳を傾けていきたい。


その3
これは誕生日とは何も関係ないけれど、きちんとした文章を書くことは忍耐力を要するなと思ったというお話。今、1年半ぶりくらいに長めの英文エッセイを書いていて、それに取り組みながら考えた。

人によってやり方は違うだろうけれど、私はまず情報集めから集める。トピックに沿って情報を集めるのだけど、それを基に文章が書けそうな情報、書けなさそうな情報があるから選別しなければいけない。私は情報を集めるのが下手くそなので、調べたことの7割くらい使わない。この時点で忍耐が必要。早く書きだしてしまいたいけれど、ぐっとこらえて情報集めに徹する。

情報が思うように集まらない場合はトピックをがらりと変えて一からやり直しをしなければいけない。情報がちょびっとでも集まっている中で、それを手放してトピックを変える決心をするのは難しい。いいエッセイが書けそうなトピックが見つかるまでも忍耐が必要。

やっと情報がある程度出そろって、エッセイの大まかな流れが見えてきたら、文章を書き始める。1文1文根拠や文法、伝わりやすさを考え、前後との繋がりも考えながら言葉を紡ぎ出していく。ここでも次々に話題を変えて早く結論までたどり着きたい気持ちを抑えて、丁寧に書いていく。1回目は適当でもいいのだけど、私は最初から1文1文ある程度納得のいくものを書きたくなってしまう。

これを何度も繰り返して結論まで書けたら1回目の下書きは終了。文字数を見つつ、2回目、3回目、と構成を変えたり、文字を削ったり、色々修正を加える。これが個人的に一番好きな作業。ただ、この作業が楽しくなるためにはそれまでの忍耐が必要なのだ。

11月初旬までに全部で3500単語を生み出さなきゃいけないのだけど、まだ400くらいしか書けていない。ちょっと焦るけれど、トピックを定めて情報集めが終了した時点で、大変なことの4割くらい終えられたと思っているので、忍耐を合言葉に地道に言葉を産み落としていこう。


・・・

今週は誕生日の2日前からケーキをバクバクと食べ続け、課題も放ったらかしで遊び呆けた1週間だった。誕生日という免罪符があるからいいでしょう。


ピスタチオとマンゴーのケーキ
友達の優しさに触れて
胸がいっぱいになった





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