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好きもやる気も正義じゃない

剣道が好きで、かつ、やる気のある剣士は素晴らしいですよね。指導者や剣道を習わせているおうちの人にとって、一番嬉しいことではないでしょうか。

ですが中には「剣道好き?」と聞かれると、「う〜ん…」と悩みこむ剣士や、もしかしたら「別に」と答える剣士もいるかもしれません。

「好き」は「やる気」との繋がりがとても深いので、剣道が嫌いな剣士はどうしてもやる気を出して剣道の稽古が出来ないのかもしれません。実際、「センスはあるのにやる気がな…」と思う子、たまに見かけますよね。

「好き」+「やる気がある」= 一番良い
これはメンタルトレーニングなどでもよく言われていることで、何をするにもベストなメンタルです。

では、今この公式に当てはまらない剣士は良くないのでしょうか?
好きじゃないのはいけないこと…?

この問いには、さっきの剣士の会話じゃないですけど、私なら「別に」と答えます。

そりゃもちろん、好きでやる気のある状態が一番良いことなのは分かりますよ。…ただ、人の感覚は人それぞれで、「一般的な好き」と「自分の思う好き」は必ずしもイコールではないと言いたいんです。

それで言えば、私は剣道そんなに好きじゃないです。剣道が…というより、剣道による色々なものに影響を受けて。みんなの前でわざわざ言ったりしないけど…。
やる気も普通だと思います(だってもっとすごい人いるし)。「あやめ先生のモチベーションはどっから湧いてるんですか?」なんて聞かれたりするんですけど、私は本当にフツーの人です。

でも、嫌いでもやる気がないわけでもないんです。

多分、私の剣道(武道)に対する気持ち…というか活動の原動力は、「好きだからやる」「やる気があるからやる」の次元を超えているんですよね。自慢じゃないですよ。理由がなくてもやるという意味です。

ずっと剣道されてる方も同じではないでしょうか?
最早やるのが当たり前というか、生活の一部になっている、やらない方がおかしい…みたいな。

特に子どもは、考えや感情を素直に行動や態度に示すので指導者や保護者はそれを見て「好きなんだな」「やる気があるな」「楽しそうだな」と判断します。

…ですが、大人しい子やシャイな子、感情を表すのが苦手な子、恥ずかしがりな子、緊張しやすい子たちは、目で見える表面的な情報だけで判断しきれないことが結構多いんです。それはみんなそうですけどね( ´ ▽ ` )

だから私は(状況と相手の年齢やレベルにもよりますが)、やる気がなさそうに見える子に対して、いきなり「やる気がない」とは言わないようにしています。「好き」に関しても同じです。「好きにならないとダメだよ・強くらないよ」とは言いません。

特に今うちは、どんどん新しい剣士が増えていて、しかもそのほとんどが低学年なので、意外と3〜4年生くらいの大人しい子がその対応に困ったり、落ち着かないことがあるんじゃないかと思っているんです。それ故に集中力を欠くというか。

そういう子は「楽しい?慣れた?」って聞くとすぐに首を縦に振ってくれるけど、そう聞かないで見たまま判断していたら、「楽しくなさそう」に見えるんです。「やる気がない」「なんで始めたんだ?」とキツイ見方をする人もいるかもしれません。

あとは、中学年だから低学年よりも出来るとか、やる気があって当然、、そういうのもちょっと違いますよね。

うちに、面つける稽古(しんどいこと)はしたくない。試合はもっと嫌だし、なにかと私のところ(初心者・低学年組)でラダーやりたいと駄々をこねている中1女子がいます。

そんなことを言っている彼女ですが、「ハイハイ、じゃーやるよ」と言われたらやる。声も出すし打突もしっかりしている。指導も真面目に聞いています。級審査の前には、稽古後に大人同士でやっている稽古に自ら参加しました。(これには驚きました)

自分に足りない所を分かっていて、練習しなきゃできない事をその子は理解しているんです。
私はそれを理解しているし、その子のそういうところが大好きなので、好きかどうかややる気に関して一度も口出ししたことはないです。

「やる気を出せ」とはよく言いますが、その子の感覚では十分やる気を出してやっているかもしれない。

一見やる気がないように見える子が、私にとっての「やる気がある子の基準」を満たしていないから、この子はやる気がない…という偏見的な見方にならないようにしたい。

そもそも「やる気」がなんなのか、「どうすればやる気を出せるのか」をきちっと説明できる指導者はそんなにいないと言われていますから。。

研究・勉強したいです^^

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