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「お前が」有名になりたいのか?

自分の就職活動が落ち着いた頃、周りの友人たちの動向が気になってくるのあるあるだと思う。私も今年の夏、そうだった。 私の誕生日が9月なので、それを知っている友人たち何人かが連絡をくれた。 「久しぶりー。誕生日おめでとう!ところで就活どう?」と。 あまりにもみんな同じようなテンポでこう聞いてくるので少し笑ってしまった。 「久しぶりー。連絡ありがとう。就活はなんとか、広告代理店に決まったよ。そっちは?」と返す。 そのままお互いの話を少し続けたあと、大概言われるのが「いやでも広告ってすごいな。有名になっちゃうな。」みたいなこと。 正直その返答に飽き飽きしていた。 広告代理店に決まったからと言って、自分の第一志望の会社だったわけでもない。自分のしたいことが出来るのかなんてまだ分からない。というか広告だからすごいっていうのはもう古い。手放しで自分の就活は上手くいったと喜んでいるわけではないから。 だから私は、あえて張り切ってこう返す。 「ありがとう。有名になれるよう頑張るよ!」と。 ひとり、その返答に満足しない友人がいた。 「いやいや、有名になるのはお前じゃないでしょ。お前が広告するものを有名にするのが仕事だろ?」と。 ハッとした。 広告の仕事は広告するものをお客様に届けること。自分や、自分の作った広告が、賞をもらったりテレビで繰り返し流れて有名になったりすることを目的とするものではない。 そう分かっていたはずなのに、少し自暴自棄になっていた私は本来の広告を目指していた目的や意思を忘れ、広告の仕事に就くことなんて全く考えたことなかった友人にそれを指摘される。自分の妙なプライドに恥ずかしくなった。 私が来年からするのは、お客様に、あるいはお客様になるかもしれない人に、そのモノやサービスを知って興味を持ってもらい、購入への働きかけをすること。 有名になるのは私じゃない。

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