憧れる生活

手帳を使い倒す生活に憧れていた。

仕事のプロジェクトの進捗や会議の予定
友達の誕生日
美容室やエステ、歯医者の予約
恋人や配偶者との記念日
旅行の日取りやイベントの日程

好きな写真やステッカーでのコラージュ
ボールペンでさらっと飾った文字
その日あったことや感じたことを書いたり
ガラスペンや万年筆を使ってみたり
マスキングテープ
貼ってみたり

その全てに憧れていた
そしてその全てが出来ない


時間もなければ気力もない
心躍る手帳も見つけられなければ
好みのペンもない
手帳を広げる机もない

なにより、書くことがない

職場と家の往復
お金もない
誕生日を祝う相手は家族と同居人だけ
遊びの予定もない
記念日を祝うタイプの付き合いでもない

今まで手帳を何冊も何冊も買ってきた
買って直ぐに書き込むのは自分と家族の誕生日

以降増えない書き込み

なにも、なにも書くことがない

あまりに目立つ空白に
レンタルビデオの返却日でも書き込もうかと思った時
虚しくなって手帳を見たくもなくなった

手帳を使い倒せる生活がしてみたかった

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