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暴走特急途中下車

私はいわゆる、自分で年金や健康保険やら税金を納めてる人から最も嫌われてる扶養者だ。そんなお得な立場になれたのは、結婚相手がたまたま正社員だったから。私の配偶者は学校を卒業してから今までずっと同じ企業に勤めていて、こんなご時世に浮き沈みもなく安定した給料とボーナスをもらっている。そんな相手に恵まれた私はおんぶに抱っこだ。

高度経済成長を支えたのは間違いなく、男は仕事 女は家を守る この役割分担を徹底したおかげだろう。だからこそ“専業主婦”という立場には色々な免除があり、それは正社員にも言える。昭和の時代の名残。今の時代には全くそぐわない仕組み。でも私はギリギリその昭和の名残に乗ることができて(というより自ら乗りに行った)今、あくせく働かなくても生活ができる。それは配偶者の犠牲に成り立ってることにそっと目をそらして…。

あと少しで勤続年数30年になろとしてる彼は、仕事を辞めたいと言った。彼の会社の愚痴はまんま今の日本に置き換えられる。どこもかしこも時代に合っていないのに、それに目をそむけて未だに昭和のノリでシステムを動かしている。目先の利益しか見ていないのでまともなビジョンがない。

すっかり疲れてしまった彼の今の姿は未だに昭和のノリを続けている日本の姿。とっくにシステムは崩壊しているのに、それを見ないことにして惰性で動いている日本。そんな彼におんぶに抱っこだった私も罪人だ。

正社員という幻想。

年金も健康保険も

これからはお金以外のナニカにシフトしなければ…

難しいけど。すごくすごく難しいけど。答えは出ないけど。


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