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モーニングページは送信機、なら受信機は?「ずっとやりたかったことを、やりなさい」が教えてくれること

あまりに大学ノートの消費が早いもので、枚数96枚の分厚いアピカノートに変えてから、ついに3冊目が終わろうとしている。この3冊の中身は、すべてモーニングページだ。

モーニングページとは、毎朝3ページ書くこと。心に浮かんでくるものを、何でも書く。「脳の排水」といってもいい。モーニングページは自分自身の静かな中心を見いだし、創造的に生きるための栄養になる。

…と、公式本こと「ずっとやりたかったことを、やりなさい。」(ジュリア・キャメロン)に書かれていることをざっくりとまとめてみた。最近、もう一度この本をはじめからじっくりと読み返していて、せっかくならnoteにまとめておこうと思い立った。

初めて読んだ時の感想は、とにかくもうチンプンカンプン。けどさすがに何度も繰り返し読んでいるうちに(分からないなりに、惹かれるものがあった)、少しずつ理解できるようになった。

というより、その内容がすっと、染み入るようになってきた。

そう、この本ってなんだか優しくて、癒される。

創造性の回復は癒しのプロセスでもある。

本書のテーマは、誰もが創造的に生きるための支援キットだ。創造的な才能は限られた人のみに与えられたものではなく、実は誰もが当たり前に持っているもの。本来であれば緑の茎の先に花が開くのと同じくらい、誰でも創造性は発揮できるのに、環境や過去、エゴなどがそれを妨げているという。

創造性は、庭の雑草に似ている。つまり、望もうが望むまいが、抜いても抜いても生えてくるものなのだ。
ある意味で、創造性は血液に似ている。血液が体にあらかじめ備わったものであり、あなたが発明するものではないように、創造性は体に備わったものであり、あなたが発明しなければならないものではないのだ。

創造性を回復する基本ツールとして生まれたのが、モーニングページだ。モーニングページについては、下の記事で詳しく書いているので、

今回はそれと対をなすもうひとつの基本ツール、アーティストデートについて紹介しておこう。

アーティスト・デートとは、あなた自身の創造的な心(それを本書では、内なるアーティストと呼ぶ)を育むために特別に確保される、週二時間ほどの時間のかたまりである。(中略)大型雑貨店に行く、ビーチへのひとり旅、ひとりで見る古い映画、水族館やアートギャラリーに足を運ぶ……どれも時間がかかるがお金はそうかからない。大切なのは時間をかけることなのである。

モーニングページが送信機なら、アーティストデートは受信機。アウトプットとインプットの関係といえる。

映画1本でも、本1冊でもいい。雑貨屋や文房具屋を散策してもいい。自分ひとりのための時間を作るということ。

いやいやそれくらい、もうやってるよ。と思うかもしれないけど、実はこれが案外、難しい。自分による、自分のためだけの、ひとり時間。簡単に奪われたり、邪魔されたり、「今月お金ないしなあ…」なんて言い訳で我慢や妥協したりしてしまう。つまり、かなりのムラが出やすい。

あるいは本当は興味なんてないのに、背伸びしたひとり時間で、むしろ自分の好奇心や創造性を蔑ろにしてしまう場合もある。

私の話に戻ると、この頃自分に、GOサインを出すのがうまくなったなあと思う。あれこれ理由をつけずに、とりあえずアーティストデートでやってみようと思えることが増えたからだ。

たとえば最近、SNSでメダリストの編み物アカウントが話題になっているのを知り、チェックするや、私もやってみたい! と思った。ノートにその気持ちを書いておき、100均でかぎ針と好きな色の毛糸をひとつ。教本は図書館で借りてきた。アーティストデートの出費、しめて220円也。

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夢中でうちこむ時間の、なんて贅沢なことだろう! あっという間に1玉使い切って、また100均で新しい毛糸を買ってきた。

アーティストデートは、自分のアンテナに引っ掛かったリストの実行だ。ひらめいた時にすぐメモをとっておかないと、さっと忘れてしまうようなささいなことが、実はかけがえのない時間を運んできてくれる。

あなたのなかに、アーティスト・デートを避けようとする傾向があるとすれば、それは自分と親しむことを恐れているからにほかならない。(中略・創造的に生きるには)じっくり時間をかけて自分と親しみ、自分を知る必要がある。

創造的に生きるための本。結果的にそれは、自分らしく素直に生きることを思い出す本ともいえる。

人生や生活に急かされているような気分になった時、いつでも立ち戻りたい1冊だ。


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