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共通テスト体験記①

受験が一段落ついて心と時間の余裕ができたので、受験体験記なるものを書いてみる。まずはその第1弾として共通テスト体験記から。


一般に受験体験記というと、進路の決め方、模試との付き合い方や勉強の方法論などが書かれたものを想像しがちだが、今回はそのような勉強に関わる事柄は避けようと思う。

これには2つの理由があって、まず1つはその類の体験記が既に世に溢れかえっているから。世の中には自分よりも遥かに学力があり真摯に受験と向き合った人たちが書いた体験記があるので、自分がそれを書いたところで有用性がある気はしない。

2つ目は、合格体験記にそこまで価値を感じないということ。合格者がやったことが全て正しいとは限らないし、そもそも勉強のやり方などには人によって向き不向きがある。

それに、自分で方法論を考えるその過程こそが、受験において最も重要な要素の一つであると思う。まだ人生のことなんて語れる身分ではないけれど、これだけは強く自信を持って言える。



前置きがだいぶ長くなってしまったので本筋に戻る。ここからは、本番の夜から時系列順に、会場までの道のりや雰囲気だけでなく、「何が起き、その時自分は何を考えたか」まで深掘りして書き記していく。

共通テスト前日の夜

9時に寝床についたのに、全く寝付けなかった。頑張って寝ようとしょうもないASMRとか般若心経とかを聞いたけど、全く効果が無かった。眠れないことへの不安が増していくにつれて余計に眠れなくなり、負の連鎖にはまって焦った。

最終的には0時を回ったあたりで眠りについたので、いつもとほぼ同じ時間だった。この日の夜は人生で1番長く感じられた。

本番の朝〜会場まで

翌朝起きると、思ったより眠気は無かった。
持ち物を5万回確認して家を出る。
天気は絵に描いたような曇天で、休日の朝なので街は閑散としていた。慣れ親しんだ通学路を歩きながら、小学生の頃の自分の面影を景色に重ねて懐古の念に駆られたりした。

予定より早めに家を出たので、余裕をもって電車に乗れた。受験あるあるなのだが、電車に乗ってる同年代らしき人が全員受験生に見える。

稲田堤から京急稲田堤へ乗り換える際、ふとこの道が中学の部活の遠征の時によく通っていた道であることを思い出した。
通学路と乗り換えの道中で過去の自分に思いを馳せるのが、なんだかこれまでの人生を辿っているような気持ちがして感慨深かった。

調布から降りると前で大勢の受験生が大学に向かっていたので、自分もその波に加わる。乗るしかない、このビッグウェーブに(言いたいだけ)

大学前の信号待ちで、偶然クラスメイト3人と会った。こんな大事な日でもいつもと変わらない様子で、少し安心して緊張がほぐれた。

会場に着いた頃ちょうど受付が始まり、すんなり教室に入れた。テレビでよく見るどデカい教室を想像していたが、思いの外狭かった(学校の教室よりも狭い)。

試験官が教室に来るまで、第1科目の世界史・地理の最終チェック。30分前になり、試験官が入室してきた。推定50代くらいのおじいちゃんが1人と、20代くらいの若い兄ちゃんが2人。

ようやく始まるのか…と気を引き締めていたのも束の間、試験官のあまりの滑舌の悪さにツボってしまう。文節ごとに噛み、その度に噛んだ自分に笑っていて妙に腹が立った。

結局その日、試験官が「ウェアラブル端末」を噛まずに言えたことは1度もなかった。間違えのパターンは、「ウェアブラル」「ウェアラブラル」「ウェ、ウェ、ウェアラブルル」など様々。3つ目に関してはもはや米津玄師のLemonだろ(ここで記事のサムネの伏線を回収する、この伏線回収には尾田栄一郎もニッコリ)。

問題用紙と解答用紙が配られ、いよいよ試験が始まろうとしていた。いつも通りやれば大丈夫、と言い聞かせながら時計の秒針をじっと見つめて開始の合図を待った。


試験が始まった。シャーペンを手に持ち、問題用紙を開く。第1解答科目の世界史は、直前期にかなり詰めた甲斐あってかスラスラ解けた。地理は例年通り難易度が高く、解き終えた後の手応えは微妙(自己採したら思いの外出来が良くてビビった)。

地歴が終わると、昼休憩に入った。この時間が地味に長くて、昼食を食べ終えた後も1時間くらい猶予があったので参考書を見たり仮眠を取ったりして時間を潰した。

昼休憩が終わり、国語の試験が始まった。現代文はかなりクセの強い問題で解きづらかった。古文は相変わらず難しいし、漢文はどんな問題だったか覚えてない。でも、解いた後の手応えは割と良かった(実際自己採した点数は悲惨だった)。

国語の後は、リーディング。全体的に分量が多い+出題の仕方がいやらしいのもあって(問いの順序が本文の時系列と一致していない)、手応えは芳しくなかった。

1日目のラストは、リスニング。模試では教室のCDプレイヤーから流れるが、本番なのでもちろん1人1人にイヤホンとCDプレイヤーが配布される。見たことのない機械でボタンが色々あって、新品のゲーム機を触ってるみたいでワクワクした。

肝心の問題の方は、リーディングが難化していたせいかわりかし優しめだった。リスニングの対策はだいぶサボった自負があったので、易化してくれて本当によかった…

長い試験を乗り越えて、1日目はようやく終了。文系科目の方が配点が高く初日が山場だったので、正直2日目は消化試合くらいにしか思ってなかった。

試験が終わったらすぐ帰れるのかと思いきや、時差退出で数分待たされたのち教室を出た後も出口付近が混雑していて、最寄り駅に着いたのは試験が終わってから45分後くらい。

帰宅は予定より遅れたけど、2日目に向けてすることもそれほどなかったので、1日目を乗り越えた喜びを噛み締めながら優雅にディナーを嗜んだ(貴族並みの感想)。

テレビをつけるとブラタモリで地層の特集をやっていて、「明日の地学基礎で役立つかも!」と思い釘付けになって見ていた。というのも、2年前の地理の問題で前日にブラタモリで紹介された天橋立がドンピシャで出題されたことがあったので、今年もあるのでは?という淡い期待を寄せていたのだ(もちろん出題されなかったわけだが)。

2日目の夜はどっと疲労が溜まったのもあってすぐに眠れた。明日の理科基礎と数学を終えれば、1つ目の山は乗り越えられる。翌日の今頃解放された自分を想像しながら寝床についた。



本稿はここまでとなります。2日目の体験記は②で。長い記事となってしまいましたが、最後まで読んでいただいてありがとうございました!

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