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私とハン検5級のこと

韓国語を勉強している。

きっかけは旅行だった。
一人で韓国に行くようになり、ハングルは全く読めず韓国語もわからなかったけれど「アニョハセヨ〜」「カムサハムニダ〜」だけでもけっこうなんとかなっていた。
あとは英検3級の英語力。

でも、やっぱり韓国語が話せたら、メニューや看板が読めたらという気持ちは少なからずあったので、ある日、本屋でうっっすいハングル練習帳を手に取った。
学生の頃から参考書を買うときの基準は厚みである。
読みきれないと意味がないからだ。分厚いと読み始める時のハードルが高い。
薄い参考書でも一冊まるまる終わらせれば自信になる。あと、軽いし。

そんなわけでうっっすいハングル練習帳を鞄に詰めて毎日出勤した。
当時勤めていた会社は9-20時勤務で3時間休憩だったので、この3時間を持て余していたというのも勉強を始めるきっかけだった。

なるほど、「아」で「あ」なのか。
仕組みを理解するのは早かったが、文字全て網羅するのは時間がかかった。
3時間まるまる休憩できたのは入社してほんのわずかな期間だけだったからだ。
仕事が忙しくなるにつれ、いつしかハングル練習帳は家に置いていきがちになってしまった。

それからしばらくたった頃。
友人きっかけでBTSを知った。
世間ではDynamiteが流行っていて、あぁあの歌の人か、韓国の人なのか。
あれ、韓国…???

私は思い出したようにハングル練習帳を引っ張り出して再度勉強を始めた。
そのタイミングで、ハングル検定というものがあることを知った。
年に2回しか試験がなく、ちょうどその2回目が再来月だった。そして受験申込〆切はハン検の存在を知った、まさにその日だった。
まぁ、やってみるか。という気楽な気持ちで受験を申し込んだ。
まだ文字全部網羅できていないというのに。

とりあえず文字を網羅し、パッチムというものを知り、なんとなく『文字は読める』というレベルになった頃、今度はハングル検定5級のうっっすい参考書を本屋で購入した。
ページを開いてすぐの問題は軽い模擬試験的なものだった。

びっくりした。
全部ハングルで書かれている(当然)。
全然わからない。
一問も解けない。

そうだ、文字しか読めないんだった。
単語は안녕하세요と감사합니다しか知らない。

慌ててハン検5級レベルの単語帳を本屋で購入。
この時点で受験まで1ヶ月を切っている。
私はとにかく単語を覚える作戦に出た。

「私は猫が好きだ」
「私 猫 好き」
単語がわかれば多少文法がわからなくても内容は理解できる。「昨日」という単語がわかれば最悪過去形を知らなくても、少なくとも過去の内容が入っている文章だということもわかる。
本来の勉強の意味からだいぶ逸れていたが、不合格になったらたぶんもう二度と勉強しなくなる気がして、とにかく「合格」を目指すことにしたのだ。

そんな感じで単語を覚え始めた頃、ふと見たYouTubeに、BTSの何か(たぶん車?)のCMが出ていた。内容はメンバー一人ひとりが文字を書いて何か詩みたいのを読んでいたようなものだったと思う。
そこで「내일」と書かれる文字を見て「明日」とすんなり頭の中に入ってきた。
これが私が初めて参考書以外の、自然の韓国語と触れ合って意味を理解した瞬間だった。
俄然、やる気が湧いてきた。
私、韓国語、読めてる。

文字を覚え始めてから、約1ヶ月半後。
もちろん参考書は読み終え、なんとなく文法も理解し、さらっとリスニングもやって、単語も試験範囲のものは覚え、ハングル検定5級試験日になった。
駅から試験会場まで向かっている途中、同じように参考書を片手に向かう人々がたくさんいたので、きっと同じ受験生だろうと何の疑問も持たずに着いて行ったら、英検の試験会場に着いてしまった。頭が真っ白になる。
慌ててマップを開いたらすぐ近くがハン検の試験会場であり走って向かった。

無事会場に到着し、最初は聞き取り試験だった。
リスニング対策が甘かった私はここでも頭が真っ白になる。
ほんと、何言ってるかわからない。
みんなスラスラ解いている(気がする)。
変な汗が吹き出る中、とりあえずマークシートを埋める。
筆記試験はまぁなんとか…わからないところもあったけど、まぁまぁ、きっと、なんとか。

人生で頭が真っ白になる経験を2度も味わい、へとへとになり試験を終えた。
聞き取り全然できなかったから、ちゃんとリスニングの勉強もしよう。
単語ももっと覚えて、文法も勉強しよう。
新たな課題が見えた日だった。

それから約1ヶ月後

ジミンちゃん推し


超ギリギリで無事合格。
ほんと、超ギリギリだった。
私にとってはなかなか無謀な挑戦だったけど、「合格」したので無事にモチベも保たれた。

そして、もっと韓国語を勉強したいという気持ちになり新たなことを始めることになる。

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