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「コンビニは儲からない?経営者から見たコンビニ経営」 序章

 「コンビニって儲かるの?」 両親がコンビニを経営している私が、小中学生だった頃からおじさんになってしまった現在まで、ずっと聞かれ続けた言葉です。店を手伝い始めて数年が経った今の私は、こう答えます。

 「あなたはいくら稼いだら『儲かる』って思う?」

 質問に対して質問で返す・・・そうです、わたしはイヤ〜な奴なんです(笑)。

 

 先に結論を言うと、「儲かる」と考えるか「儲からない」と考えるかは、その人の考え方次第です。


 「自分は独身で子供もおらず介護が必要な両親もいないので月収50万もあったら十分」という価値観を持った人が、月に50万円の利益が出せるコンビニを経営していたとすれば、そのコンビニは「儲かる」と感じるかも知れません。

 「パートナーと一緒に2人の子供を育てながら両親の介護をしている、2人合わせて月収50万円ではカツカツだ」と感じながら生活している人にとっては、月に50万円の利益が出せるコンビニの経営は「儲からない」「割に合わない」と感じるかもしれません。

 実際、月に100万円以上の利益を出しているコンビニも世間には沢山あります。逆に、月に30万円の利益すら出ないコンビニも沢山あります。そしてここが面白いのですが、世間に出回るコンビニネタの多くは、後者です(笑)。

 

 「コンビニは儲かるか、儲からないか」を考える時に大事なことはたった1つです。


 「あなたはいつまでにいくら稼ぐ必要がありますか?」


 「老後の生活費のため10年後に3千万円の資産が必要だ」と考えている方がいたとします。1年間に300万円を貯める必要がありますね。

 この方の家計の現状は、家族の生活費に加え、子供の教育費や両親の介護費まで必要だと仮定します。すると、月に25万円の金額を10年間貯め続けるためには、月50万円の利益が出るコンビニ経営は「儲からない」となるかもしれません。

 「15年後に3千万円の家を現金で購入したいんだ」と考えている方がいたとします。1年間に200万円を貯める必要がありますね。

 家族はパートナー1人、子供も介護が必要な両親もおらず、老後の生活に必要なお金は別で準備していると仮定します。すると、月に17万円弱の金額を15年間貯め続けるためには、月50万円の利益が出るコンビニ経営は「儲かる」となるかもしれません。

 少し極端な例で話しましたが、「いつまでにいくら稼ぐ必要があるか?」とは、このような中身となります。

 

 ここまでお読み頂いた皆さんなら、もうお分かりかと思います。


 「コンビニは儲かるの?」

 「それはあなた次第です。」



 これはコンビニについてよく聞く他の話題にも同じことが言えると思います。

 「加盟店の経営者は本部に搾取されているんでしょ?」 こう聞かれたら私は、「本部に搾取されていると感じるかどうかはその経営者次第じゃない?」と答えます。だって本部に何を求めているかは経営者によって違うから。

 「ドミナント戦略で同じ名前のコンビニを近くに立てるなんて非人道的だよね?」 こう聞かれたら私は、「同じ看板を付けていても経営者は違うんだから、頑張ってそのライバル店を潰せばいいじゃん。」と答えます。だって自分の店以外のコンビニはセブンだろうがローソンだろうがファミマだろうが全て敵だと思うから。

 「コンビニの数は飽和状態でもうオワコンだよね?」 こう聞かれたら私は、「オワコン状態ならこの先バタバタとライバル店が潰れていくから生き残った店がお客さん総取りじゃん、超〜嬉しい!!」とテンションが上がります。だって人口減少が確定しているこの国では、コンビニだけでなく既存の商売全てがオワコンだと思うから。


 この世界に、「たったひとつの真実」なんてものは存在しない、私はそう考えます。コナン君ごめんね、だから私は君が好きになれないんです(笑)。


 そしてこれまで書いてきたこの記事の内容も、正しいか正しくないかを決めるのは、あなた次第なんだと思います。だってこの世界には真実など存在しないのだから・・・



 この記事では、「コンビニは儲からない?経営者から見たコンビニ経営」をテーマに、おとんとおかんが経営するコンビニで嫁と共に日々奮闘する二代目候補のバカ息子の視点から、世間でブラックな仕事と捉えられがちなコンビニ経営の「実際はどうなの?」や「これからどうなるの?」を書いていきます。

 また、他にも異なるいくつかのテーマで記事を書いていく予定です。興味がありましたら是非、他の記事もお読み頂けたらと思います。 


 それでは今日はこの辺で。

 このクソッタレな世界と戦う皆様と明日もともに。

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