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僕は絵が下手だ

僕は絵が下手だ。

もう描き始めて6年目に入ろうとする。でも書くことに精一杯で、練習してこなかったことが原因な気がする。まさにそれ。大変もうしわけございませんでした。でもしかたないかも。まあでも、どんなに上手になっても反応の数って変わらないので、正直他人の評価をバロメーターにはできなさそう。というのが現状。感覚値としては、反応はない方だとは思う。

よく聞く論調だが「絵が下手だと主張してしまうと、絵が好きな人に失礼だ」というのがある。理解できる。論理的にも心情的にも。ただし、自分の絵が好かれているという状況にあるということがわからない人間にその理論は割と暴論だ。そしてそういうことを伝えてくる人は大体僕の絵に無反応をだったりする。

わかってるよそんなこと。と思う。だから言わない。言わないが、心情的に思ってしまう。数は圧倒的なバロメーターだ。現実として迫ってくる。はー。(数に関しては思い詰めて絵描き友達に相談したことがあって、彼女に教えてもらえて心の律し方を知った。これはまた別の記事で書くね)

一方で、僕は絵が下手である、というところで終わってしまうのも非生産的だなあ、と感じる。6年目に突入する以上、ある程度絵についてわかってきたことも多い。本もそれなりに読んだ。練習もした。漫画もいっぱい描いたし、一枚絵だって毎月それなりにあげてきた。そこで気づいた。

僕は絵が下手なんじゃなくて、絵に違和感があるのだ。

その時思考がクリアになった。絵に現れる違和感、微妙にうまくなればなるほど顕著に現れてきて、それを見た人は感じとるんだと。

その言葉に入れ替えた瞬間、心のもやもやが晴れて、自分が今まで感じていたことがクリアになり、そして絵の弱点が見えてきた。手、服、腕の長さ。とか。そういたことにちゃんと向き合い、改善点が明確になっていく。そして今まで見ていた本を改めて見返し、弱点を改善できることに気づいた。あとは練習。そして自分の目からは消えていく違和感。

とはいえ、「違和感があるってことは下手なんじゃないの」とも言える。ただ上手か下手かって、個人の感情の問題なんだよな。感情って日によって変わったり気分によって変わったりする。僕なんかはお腹が空いてたり、その日天気が雨が降ってるだけでネガティブになったりする。ので、自分が頑張ってるものをそこに委ねてしまうの、すごく危ういなあ、という感じをしている。無心で頑張る、というのはそこから離れたことなんだよね。だから事実でいい。肩の位置がおかしい、目がずれている、腕の長さがおかしい、足の肉付きがおかしい。それで十分。おかしいところが明確なら直せばいい。僕の絵を好きな人がもっともっと好きになってくれるように。そして「綾瀬さん絵上手になったね」といってくれるように。

僕はエモーショナルなところに自分の画力を委ねてはならないなあ、ということを知った。でもそれは僕だけで、他のみんなはきっと違う。「わたしは絵が下手だ」で終わる人も「スランプ」という言葉の認識が違う人だってわんさかいる。それは人それぞれでいいんだと思う。みんな世界に一つだけのなんとか。

見る人の感情は動かしたいとは思う。絵ってそういうものだと僕はおもうから。だから感じたらいってほしいと思う。昔からの僕を見てるなら「綾瀬さん絵が上手になったね」って声だけでもすごく救われる。だから僕は違和感を消そうとしていることより、違和感が消えたことを他人に褒めてほしいと切に願う。

僕は絵が下手だ。そして今日もまた一つ違和感を潰していく。その先にみんなの感情を大きく動かせるように。僕のキャラクターたちが躍動する思い通りのストーリーを描けるように。素敵な漫画や絵を作り出せるようになることを信じて。


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