色彩士検定 3級 Basic 第4章

色彩士検定 Basicを受けることにしました。
色彩士検定の内容をまとめて、試験勉強に役立ちたいと思います。
これから試験を受ける方、今後、勉強しようとしている方にも役立てるよう
にしたいと思います。

ぜひ、一緒に勉強して、合格しましょう。

第4章 色の知覚的効果

4-1 色の相互作用
  色の対比・・色の差異が強調されて見える
  色の同化・・色の差異が縮小されて見える
  これらの色の相互作用は、時間的相互作用と空間的相互作用がある
 (1)色の時間的相互作用
   ①色の残像・・光がもたらす網膜知覚像に対する反作用として生成さ  
     れる残留感覚のこと。復元には30秒ほどの時間を要する光の刺激
     が除去されても、その感覚が直ちに消失せずに観察される。
    ・正の残像(陽性残像)・・強い光をみた直後に背景の中に同じ明
      暗関係の知覚像が見える
    ・負の残像(陰性残像)・・直前にみた色の補色に近い色や明暗が
      反転して見える。残像色が補色に近い色を帯びて見えるため、
      「補色残像」ともいう。
   ②色の継時対比
    継時対比(時間対比)・・直前にみた色の残像が投影される面の色
     の見え方に影響を与え、色の差異が強調されて見える現象。光の
     受けた網膜部位の残留感覚が、その後の知覚体験に及ぼす残効の
     一種。
     例)病院の手術室の壁、手術着を緑色(手術中凝視する血液の色
       の補色残像の影響を抑えるため)
 (3)色の空間的相互作用
   ①同時対比
    同時対比(空間対比)・・周辺に配置された色が観察する色の見え
       方に影響を与え、色の差異が過大に知覚される現象
       明度対比、色相対比、彩度対比
    縁変対比・・近接して並置した2色の関係では、相互の色の作用
          で、境界部分に沿って色の見えが変化する
    a 明度対比・・地と図の関係、あるいは、並置した色の明度差が強
      調されて見える現象
      例)黒の背景(地)と白の背景(地)で、同じ明度の灰色
        (図)を入れると、灰色(図)の色が、黒の背景(地)の
        場合、明度(明るさ)が増し、白の背景(地)の場合、明
        度(明るさ)が減じて見える
    b 色相対比・・地と図の関係や並置した色の色相差が強調されて見
      える現象。色相環の上で、周辺色から遠ざかる方向の色に見え
      る。
      例)赤の背景(地)と黄色の背景(地)に同じ明度の橙色
       (図)を入れると、橙(図)の色が、赤の背景(地)の場合
        は、黄色の橙色に見え、黄色の背景(地)の場合は、赤色
        の橙色に見える
    c 彩度対比・・地と図の関係、あるいは、並置した彩度差が強調さ
      れて見える現象。観察色と周辺色が同系色相の場合は周辺色の
      彩度が低いほど観察色の鮮やかさはまいして見え、無彩色を背
      景とすれば、さらに鮮やかさが増して見えます。
    d 補色対比(補色の彩度対比)・・地と図の関係、あるいは、並置
      した色が補色関係であれば、周辺色の彩度が高いほど観察色が
      鮮やかに変化して見える
    e 色陰現象・・無彩色であるはずの灰色が高彩度の色に囲まれる
      と、その補色残像の影響によって、周辺色の補色を帯びて見え
      ることがある。色の同時対比の一種
      Colored shadow 色彩論
                        黄昏時に白い紙の上に帆の宇の小さいロウソクを立て、太陽
      の光とロウソクの炎の間に鉛筆を一本立てて観察すると、ロウ
      ソクの光によって生ずる鉛筆の影は極めて美しい青に、太陽の
      光の影は赤みをおびた黄色に見える現象
    f 縁辺対比(辺縁対比)・・並置された色と色の境界部を凝視する
      とその縁辺(ものの周縁部)に沿って特に強い対比が現れる
     セパレーションカラー・・隣同士の色が非常に似通っているため
     に、曖昧な印象の時に、間に1色を挿入することで調和を測る技
     法
   ②色の同化現象
     周辺に配置された色が観察する色の見え方に影響を与え、対比と
    は逆に、色の差異が縮小されて知覚される現象
    色相の同化
    明度の同化
    彩度の同化
4-2 色の伝達方法
  色の情報伝達機能は、交通標識や看板、ポスターなど広く身近に利用
 (1)視認性(見えやすさ)
    視認性・・対象物の存在や形状の認めやすさのこと
         指標を認識できた距離(視認距離)などで表される
         明度差に左右されるため、明度差を大きくとる
    明視性・・対象物の色や形の見えやすさ
         背景色との明度差を大きくとる
    可読性・・対象物に表される文字や記号の読み取りやすさの程度
         字の大きさ、太さ、字画数、地と図の明度差が大きく影
         響する
 (2)誘目性(目の引きやすさ)
    視野内に多数の色が存在する場合の眼の色の引きやすさに関わる色
    の性質。色の明視性だけでなく、心理的要素が含まれる
    主に彩度の高い色、特に暖色系の色が誘目性が高い
 (3)識別性(見分けやすさ)
    記号体系内(図形、文字)での他の記号から区別のされやすさ
    多くの情報の違いを容易に区別して伝達するのに活用
    明度、彩度のコントラトが必要
    例)ファイリングや帳票の分類、交通機関の車体の色、路線図、
      スポーツチームのユニフォームなど
    CIE(国際照明委員会:Commisson Internationale de I'Eclairage) 
               より、3色の場合、赤、緑、黄(白)、4色の場合、赤、緑、黄、
    白、5色の場合、赤、緑、黄、白、青が推奨されている
    配管系の識別色
     日本工業規格 JIS Z 9102 「配管系の識別表示」・・配管系のバル
    ブの誤作動の防止や取り扱いの適正化を図ることを目的に施す色
     
            JIS Z 9101 「安全色および安全標識」


     

      
   


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