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1年後、Festive500に挑戦する君へ

2021年Festive500を達成した私から、1年後再びFestive500に挑戦する君へ。

Festive500とは

"Festive500"はもう知っているね。そう、サイクルアパレルブランドRaphaが毎年開催している「クリスマスイブから大晦日までの 8日間で500kmを走破する」というグローバルなエクストリームイベントだ。

イングランド南部、ケントの雪の積もる道で生まれたフェスティブ500は、もともと、ある1人の男が冬の天候に挑んだチャレンジでした。それから12年、このチャレンジは世界中のサイクリストの恒例行事として年々成長してきました。昨年は65,000人以上が参加し、今年はさらに多くのサイクリストに参加してほしいと願っています。一年で最も忙しいこの時期に、このチャレンジに挑むことは、それだけで心に残る数々のエピソードと思い出が生まれるものです。ぜひ一緒にフェスティブ500を走りましょう。

ラファ フェスティブ500特設サイトより
https://www.rapha.cc/jp/ja/stories/F500-a-challenge-by-half

ただでさえ慌ただしい年末、寒空の下を走りまくるというイベントだ。なんでよりにもよってこのクソ忙しい時期にそんなことをするのか、と思っただろうね。問題ない。毎年思っているし、おそらく少なくない人数の人が同じ気持ちでいる。

さて、この500kmという距離が曲者だ。脚のあるサイクリストでも簡単には達成できない絶妙なラインを突いている。君のようなゆるポタサイクリストにとっては相当にチャレンジングな目標だ。そこで、2021年に私が走って得た知見を伝えておこう。

無理に外を走らなくていい

2022年、世界はどうなっているだろう。パンデミックが収束して気兼ねなく外を走れるようになっていることを願っている。だけどもしもパンデミックが続いているなら、勇気をもってバーチャルに引きこもるのも手だ。君のような鈍臭い人間は怪我のリスクが常人よりも格段に高い。気を悪くしないで、これは中傷ではなく事実。君のことは私が一番よく知っているからね。

それに、仕事だってそうそう休めないだろう。500km達成のためには平日も距離を稼ぐ必要がある。ZWIFTなら仕事を畳んで15分で走り出せる。

とはいえ、外を走りたくなる日があるかもしれない。その場合は十分に気を付けること。安全に帰ってくる以上に大切なことなんて、アマチュアサイクリストにはないんだよ。

一度に長距離を走ろうとするな

世の中には一回のライドで500kmを走破する猛者もいるそうだが、多分彼らは自転車の星から地球にやってきた異星人だ。真似しようと思ってはいけない。君は地球人だし、100kmも走ったら翌日はゴロゴロしていたいタイプのサイクリストだろう?
参考に、2021年の記録を貼っておくから参考にしてほしい。

土日に多めに走ろうとしても意外と走れないものである。

こんな風に100kmを超えない距離を毎日積み上げていこう。500kmを均等に8日で割ると62.5km。この距離を目安にすればいい。超えた分は貯金にできるから、もし脚と時間に余裕があれば余分に走っておくのもいいね。ただし無理は禁物だよ。

いかに楽をするか考えろ

大体、年末に500km走るっていうだけで大仕事なんだ。それ以上に何かしようなんて考えては駄目だ。いいか、山には行くな。「獲得標高」なんて言葉は一旦忘れよう。登りもこなしながら距離を稼ぐなんて、それは上級者だけに許された作法だからね。

弱者には弱者なりの戦略がある。我々の主戦場は平坦だ。そして重要なのは人の力を借りること。ドラフティングを積極的に使っていこう。Festive500期間中に沢山開催されているZWIFTイベントを活用しない手はない。そしてイベントがない日はペースパートナーと一緒に走るといい。彼らの周りには集団が形成されていて、いつでも一定のペースでグループライドができる。

イベントに参加したりペースパートナーと走っている人たちは同志だ。
ズッ友だょ…!と心の中で声をかけながら一緒に走っていこう。

500kmを達成しようとしなくていい

「は?何言ってんだお前」と思ったかもしれないが、これは大事なことなんだ。500kmを達成するつもりで走らなくていい。

100kmとか200kmとか、とんでもない距離を走るウルトラマラソンランナーは1kmをメルクマールにするという。1kmをゴールとして、その1kmを達成することだけを考える。1km走ったらまた次の1km…という具合だ。これはとてもいい考え方だから、是非とも真似したい。つまり500kmをひと塊にするのではなくて、例えば10kmずつに分解してクリアしていくんだ。あと490kmある…なんて考えなくていい。というか考えてはいけない。気が滅入るだけだからね。

それから、これは絶対に覚えておいてほしいんだけど、もし辛かったり楽しくないと感じたら、いつでも辞めていい。これは仕事ではないし、達成できなかったとしても何も不利益はない。誰に迷惑をかけることもないし、我慢して続けるものではないんだ。

だって、貴重な休みの期間に嫌な気持ちになるなんて、馬鹿げている。君は何のために自転車に乗っているんだ?楽しむためだろう。時間も限られているし、気力も体力も使うチャレンジなんだ。やろうかな、乗ろうかな、という気持ちが続いている間だけやればいい。この部分に関しては乗る度に思い出してほしい。物事は始めるよりも辞める方が難しいものだからね。

自分を労おう

大変なチャレンジをするんだから、ご褒美は必要だ。Festive500期間中は好きなものを好きなだけ食べていい。オートミールや雑穀米じゃなくて白米をかっこもう。少し高級なおやつもいいね。

美味しいものが待っていると思えば走ろうという気になるし、美味しいものを食べればカロリーを消化するために走ろうという気になる。なんて素晴らしいループだろう。食べて動く、これは人間の営みそのものだ。結構、大いに人間らしくいこうじゃないか。多少体重は増えるけど気にするな。

焼肉はいいぞ。だがロースは目を離すとすぐ炭化するから気を付けてほしい。

最後に

今年も頑張るつもりなら応援する。よく食べよく寝て(期間中は7時間は寝た方がいい。ちなみに自転車選手はレース期間中9時間くらい寝ている)健やかであれ。
あと、細かいことだけど、以下のことも忘れないで。

  • 立ち漕ぎを積極的に活用(尻へのダメージを侮るな)

  • サイコンとガーミンウォッチはこまめに充電

  • 身体のケアはしっかりと。ヴェレダのアルニカマッサージオイルでマッサージした後、フォームローラーで腿裏や腰を入念にグリグリしよう。

  • ノリのいいhip-hopやdanceミュージックはいいぞ。気合を入れたくなったらエミネムを聴け。

大事なことをひとつ忘れていた。ローラー台のタイヤを変えておくこと。2021年、擦り減ったタイヤをしつこく使い続けていたらガタガタと上下動をするようになり、ラスト20kmはちょっとしたパリ~ルーベのようだった。タイツをしつこく使い続けてパッドを擦り減らして股擦れになった教訓を活かして、機材は消耗し切る前に変えておくようにしよう。マジで。