佐久間宣行とオードリー

若林さんは佐久間さんに対して「絶妙な企画を絶妙のタイミングでよく思いつく」と発言していた。

もちろん、長年のオードリーファンの私も同じように思っており、佐久間さんは頭の上がらないディレクターの1人である。



ブレイク当初にいっぱい番組に読んでくれた番組の一つが「ゴッドタン」だった。

当時の私の目線からしたら、お色気寄りのゴッドタンで、ピュアなオードリーが活躍する光景が不思議だった。
でも、よくよく考えてみると、オードリーが出演するコーナーはお色気要素が少なく、ゴッドタン自体も、若手芸人が活躍する場所に変わる転換期だった記憶がある。

佐久間さんはオードリーに対して「俺が発掘したと思っていない」と発言しているが、割とそれは間違っていない気がする。
なぜなら、春日さんの「キモンスター」以外はすべてM-1準優勝後にオファーされており、オードリーはゴッドタンに結構な頻度で呼ばれていたからだ。

当時のファンとしては、春日さん全盛期の時代であっても、若林さんにちゃんとフォーカスをあててくれた番組であった。

特に「非・吉本芸人団体芸サミット(2009年前半)」は印象的で、バナナマンの設楽さんやおぎやはぎの矢作さんから、若林さんのことを裏で褒められていたことが、佐久間さんのANN0で語られていた。
この企画は後にアメトーーク出演にまで展開し、それは、じゃない方芸人に続いて2回目の出演。人見知り芸人の前であった。


もちろん、第一次ブームが過ぎてからも、佐久間さんがオードリーをゴッドタンに起用してくれていた。

当時は、オードリーのピンで売り出すのかハラハラしていた時期でもあったが、それでもオードリー二人でオファーしてくれていたありがたいディレクターであった。

その中で生まれた企画が「照れカワ芸人更生プログラム(2011年前半)」であった。売れる直前のももクロとの絡みは最高で、今でもこの放送はハッキリと覚えている。



春日さんが部族滞在記で活躍するにつれて、オードリーがゴッドタンに出演する機会が少なくなっていった。

たしかその時に「終電ごはん(2013年10月)」が始まり、「ひまわりと子犬の7日間(2013年3月)」と同じ年だったので、俳優業をやっていくんじゃないかとハラハラした記憶がある。笑

オードリーの仕事は順風満帆とは行かず、ミレニアムズが秒で終わってしまい、お先真っ暗。
そんな中で「気分転換をしよう」と言わんばかりに始まったのが「SICKS〜みんながみんな、何かの病気〜(2015年秋期)」であった。
当時の記憶としては、当初「なんだこれ…」「ぜんぶウソみたいだな…」と思っていたら、最後にはちゃんとまとまって、見れば見るほどハマっていった記憶がある。

そして、若林さんと佐久間さんとの仲も深くなっていき、若林さんを朝井リョウさん、西加奈子さんとの飲み会に参加させたのも佐久間さんである。

ご本、出しときますね?(2016年春期)」は小説家にインタビューする番組で、今のあちこちオードリーに通じる「聞き手」としての若林さんの良さを思う存分楽しめる番組であった。




その後、しばらくのブランクがあった後に「あちこちオードリー(2019年)」が始まるのだが、「じゃないとオードリー(2020年3月/2022年10月)」「笑うラストフレーズ!(2020年年末)」「オドオド×ハラハラ(単発・2023年6月)」「LIGHTHOUSE(2023年8月スタート)」とオードリー番組を量産しており、どれだけオードリーすきやねんと突っ込みたくなります笑

一時期、「オードリーと千鳥の番組の企画書を出している」とも言っていたことから、ボツの企画書もいっぱいあることが考えられ、今まできっと、相当数の企画書を出していると考えられるでしょう。


きっとどこかの局で、今もなお、オードリーの番組の企画書が作成されているのかもしれない。
企画が通るのかは分からないけど、それをわかった上で、企画書を作り続けてくれるディレクターがありがたい。
そんなわくわく感を与えてくれるディレクターには頭が上がらない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?