この星紀行2021年初夏号できました
フリーペーパー「この星紀行」2021年初夏号できました。
2020年春以来、約一年ぶりの発行です。
フリーペーパーは、確かに誰かの手の中に届くけれど、宛名の書けない手紙です。
「今、誰しもに言葉が届くとしたら」そういう気持ちでいつだって白紙に向かってきたけれど、前の春もこの初夏も、むずかしさを感じずにはいられませんでした。
緊急事態宣言が発令されている日常に慣れていく一方で、気持ちが波立つ出来事があったり、体が強張る瞬間があったりする。頭ではわかっていても取り返しのつかないことのように思えたり、自分ひとりではどうしようもないことに嫌気が差す。
あなたは、どうしているかな。
あの町にはどんな風が吹いているかな。
“すべてのひと、ひとりひとりの中にたくさんのひとがいる。たくさんの町がある。”
こわくなったりこわくなくなったりするけれど、誰かもきっとそう。
あなたがこわいと思うとき、私はすっかりこわくなくなっていたり、わかってほしいときにわかってもらえない、わかってあげられない。
共感はタイミングを合わせることではなく、想像することでしか補えない。
伝え合い、想像する余地を、ひとりぶんの自由をしつらえること。受け取ること。
“あなたを大事に思うということは、あなたの大事なひとや大事なもの、それらを愛するあなたの心身が守られるように祈ること。ここにいるあいだは強い風が吹く、急な雨にずぶ濡れになる、肩をぶつけてはよろめいて、ひとやすみするベンチを見つけることもむずかしい”
“だからあなたがどこにいても思い出せるものを。ひとりでも口ずさめる歌を。目にやさしいかすかな光として本が傍にありますように。”
2021年、今年もひきつづき手紙を書いてゆきます。
ちいさな予感を同封したりしようかと目論んでいます。
あと6月はもうひとつお店屋さんをひらきます。
人の手を握る企画です。
フリーペーパーは池田直営店「この星スーベニアショップ」からの発送の際に同封させていただく他に、詩集取扱店さんへの納品の際にまとまった部数をお送りさせていただきます。
よろしくお願いいたします。
(引用は全て「この星紀行」今号本文からです)
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