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配達希望日と言祝ぎの宛先について / 祝うことに就いて一年

オーダーメイドの詩作の企画「誕生日のための詩」をはじめて、一年が過ぎました。
わたしの広報活動が追いついていないこともあり、オーダーの数がすごく増えたり減ったりはしていないのですが、言祝ぎの詩作に取り組むうれしい日々が続いています。ただここで待つために在ることが大事なのだと改めて感じています。
今日はよくお問い合わせいただくことについて、すこしお話してみます。

配達希望日について

「誕生日のための詩」はお誕生日以外でも「配達希望日」さえご指定いただければ承ります。
(「なる早」でのオーダーも以前は承っていましたが、毎月のスケジュールに追加で組み込むことが難しくお届けがだいぶ遅れてしまったという反省からやめました)
お誕生日以外にも生まれてから○日目といった記念日や暦になぞらえた節目の日などなどご希望のタイミングに言祝ぎをお届けしています。
(※基本的に配達希望日の1ヶ月前のオーダーをお願いいたします。スケジュールによっては1ヶ月以内のオーダーでも可能な場合もありますので注文の前に一度お問い合わせください)

言祝ぎの宛先

お祝いの宛先は、ほんとうに様々です。家族、友人、大事な人、生まれてくる前の人、もうここにいない人、見えない人、もちろん関係性について必ずわたしへ伝える必要はありません。ただ、その人がどんな人かだけ教えてください。あなたが教えてくれたこと、伝えてくれた思いが詩作の糧になります。
言祝ぐことができない対象に今のところ出逢ったことがありません。人間以外でも大丈夫です。

祝うことに就いて一年

祝うことに就いて一年、誕生日を言祝ぐということはあなたが“生きてゆくこと”に対して関わりを持つことだと気づきはじめている。あなたの真上に太陽が輝くその日を盛り上げるための単なるにぎやかしではいられなくて、季節が移ろい揺らぐあなたのことを、その足元に落ちる影や涙を、すこしの親しみを込めて見つめてしまう。すべての誕生日を覚えているわけではないけれど、来たる季節にあなたのことをこの町でひそかに思い出している。時間が流れてゆくこと、また誕生日がやってくること、あなたの目にも確かなあかるさが再び訪れることをわたしは確信を持っていつの日もここで大きな声で言えるように。
あなたが今日も生きているかどうか、それすら知るすべがないわたしはその人生に触れ得ない人間だ。圧倒的な他者の形を保ったままあらゆる抱擁を叶えてみせよう。紙の上でも、実体がなくても、花や光の閃くところで会おう。おめでとう。生まれてきたことは、出逢えたことは、遥か彼方まで祝福を浴びる。あなたがうんざりするほどに、愛されてしまう。絶対的におめでとうなんだよ。こんな世の中でも手紙はきちんと届く。ここにはまだ間に合うものがある。やっぱりわたしはあなたへ手紙を書きたい。


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