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私の水辺で虹を作る

一昨日は「虹の作り方」を検索して消えない虹を作った日。
昨日は最後の手紙を書き終えた日。
今日は本にも言葉にも収まらないおおきなものを連れて歩いているイメージをして改札前のちいさな渦を足早に通り過ぎた。
頭上高く高くある星の光や風の速さを頼ってゆく。
溢れていよう。満ちていよう。
いい仕事も、愛に誠実であることも、ここからしか始まらないと観念してからはもうずっと手当てについて考える日々を過ごしています。傷つくことの容易さに比べて繕い労わることは多様性に溢れどこまでも奥深い。傷つかずにはいられないように、回復のために私を使うという反応を身につけたい。

冬が春にいちばん近いことに気づいて顔を上げた。

遅れながらも書いて、忘れながらも思い出して、見失いながらも目を開いていることに気づくとき、私が私と名指すことのできる範囲にありながら触れられないままの水辺を思う。この水面のかたちない光をあなたはきっと見たのだろう。

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