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祈りのぐるり

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特定の信仰を持たず、それでいて目には見えないものを頼りにしてきた自分がこの度牧師を務めとする人と結婚するにあたり「祈り」について考えたり、言葉を拾ったりしたものを書いてゆきます。
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#祈り

ひとりの朝に(祈りの進捗)

前回の記事が「十の月を歩く」のテーマからすこし離れていたので、今日はがっつり祈りについて書きました。 -----------------------------------------------

一人分の安心

 世界への信頼について、考えている。 これは「人が死なないために働きたい」という思いの延長であり、手当てにあてると決めたこの十年の中で取り組むテーマでもある。世界への信頼は、世界への安心であり、ここにいることへの安心に繋がっている。安心をつくることができるだろうか。安心は分かち合えるだろうか。安心を忘れずに済む方法はあるのだろうか。それらの答えは今もわからない。ただ、まだすべてがわからなくても大丈夫。そう言える一人分の安心だけがここにある。  愛は自らの内から満ち溢れないと

祈りの中に、こころみの中に

 「我らをこころみにあわせず、悪より救い出したまえ」  この祈りを、別の言葉で、信じるものによらず、別の場所で、異なる名の、あるいは名もなき、おおきな力に向けて、祈っている人で溢れているのが、わたしたちのいるこの世界だ。今日生まれるかもしれない人に向けて世界のことを教えるとしたら、この世界には様々なものを信じる人がいることを教えたい。そうしたことが時に困難な世界であるけれども、しかし必ず可能であるべきだという希望を、希求する心を教えたい。生まれたばかりの人のつややかな瞳、ただ