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祈りのぐるり

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特定の信仰を持たず、それでいて目には見えないものを頼りにしてきた自分がこの度牧師を務めとする人と結婚するにあたり「祈り」について考えたり、言葉を拾ったりしたものを書いてゆきます。
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2023年9月の記事一覧

贈り物と喪失の時を見つめる

 「幸せになる」という言葉がずっとよくわからない。高校生のときから、今に至るまでよくわからないまま、わからなさを自ら許したまま生きることができたことは多分幸せなことだろう。よくわからない言葉をわかっているよう装うことや、わからなさを揶揄されるような場面に立ち会うことは大したことではないが感覚が息を止める瞬間には違いない。そういうことがないまま、ここまで至ったことは幸せなことだ。そう、幸福感についてはわかる。安心できる眠り、誰かとの食事、成すべきことを成したとき、行きたい場所へ

理解の進捗

 まず、私たちはわかり合えなくていい。  私がひとりで信じ頼ってきたもののこと、誰ひとりわからなくてもいい。どんなに近しくてもわかり合えなければいけないことはない。わかり合えなさを力任せに否定することはとても簡単だ。わかりたいのにわからないとき、わかってほしいのにわかってもらえないとき、くるしく感じてしまう私たちは「わかり合えないこと」に耐えられない。わかり合えない私たちでも一緒にたのしく過ごすことはできる。思いに共感できることもある。また会いたいと思ったりする。それでも、私