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じっと待つ それは大変だけれども大切なこと

 私の一日は、一人の幸齢者様にモーニングコールをすることから始まります。

サービス付き高齢者住宅にお住まいの可愛らしい素敵な方です。

認知症状が出始めて、今までできていたことがだんだんとわからなくなる。できなくなる…。それで、介護保険のヘルパーさんに毎朝モーニングケアをお願いしていました。

朝食を食べたか?薬は飲めたか?デイサービスに行く支度はできているかなど…

ところが、あの人は来てもなんしもしないけど何しに来るの?と…   介護現場ではあるあるなことです。

なかなか介護保険でのヘルパーさんとはうまくコミュニケーションがとれず、そしてコロナが発生したこともあり、ヘルパーさんのサービスは一旦中止となりました。

そこで、前の記事にも書きましたが、テレビ電話でのリモートサポートで朝の身支度をしてもらうことになったのです。

私たちはついついやってしまいたくなります。その方がやれることも、時間がないとか、うまく伝わないから、もう自分たちがやったほうが早いから…。

でも、本当にそれはやさしさでしょうか?

じっと待つ。

それは大変だけれども、大切なこと。

テレビ電話でのサポートをしてみてよくわかりました。

その場にいたら、つい手をだしたくなります。でも、テレビ電話なので手は出せません。

特に認知症の方には、この人はできないからと介護現場ではどんどん手を出してしまいます。本当は待てばできるかもしれないのに…

でも、私も介護保険のヘルパーもやっているのでよーくわかります。

時間がないんです。そんな悠長なことをやってたら あっという間に時間がきてしまうんです。待ってられないんです。

幸いにして、今、私がやっているサポートはテレビ電話なので、私も身支度をしたり、ご飯を食べたりしながら、その方のペースに合わせて声をかけています。

サポート次第で本当に違ってきます。

介護保険のサービスはとっても重要です。なくてはならないと思っています。でも、介護保険ではできない新しい介護サービスの在り方があっていいんだと思っています。

その方が、その人らしくいられるように…。

私は、私ができることをこれからもやっていきたいと思っています。





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