見出し画像

第七夜 故人と祝う、あの世のお正月

 こんにちは、あやのです。

 西表島はすっかり夏になりまして、日中は半袖で過ごせる陽気が続いています。昨日なんかは暑すぎて今年初の除湿機を稼働させました。これからの夏本番シーズンが楽しみな反面、若干心配でもあります(特に電気代…)。

 さて、本日2月27日は十六日祭です。沖縄でも特に離島で盛んなイベントのようで、石垣のスーパーにはたくさんのお菓子(レモンケーキや地域特有のおまんじゅうなど)や、お肉(三枚肉とか)やお魚(お刺身とか)が十六日祭用に並んでいます。オードブル・お寿司もホテルやコンビニや、色んなところで注文できます。
 十六日祭とは「あの世の正月」のことで、お昼ご飯のごちそうを家族みんなでお墓の前で食べ、歌ったり楽器を演奏したりして、お祝いします。小学校はお昼前に授業が終わります。個人のお店は、お休みのところもあります。「お墓の前で飯を食うだと!?」と、内地(沖縄県以外の県のこと)出身の人(私含む)は、信じられないかと思うのですが、本当です。↓のお写真は、以下の記事からお借りしました。

画像1

 島出身の多くの方は「小さい頃からこの日が大好きだった」と言います。学校が早く終わって、ご馳走がたくさん食べられるんだから、いい日ですよね。お母さんはご馳走の準備やらなんやらで大変なので、この人は別に、女性のためのお正月があるそうです。恐らく、女性は何もしなくていい日…だと思うのですが、こちらについては、まだ調べきれていないので、また記事にできたらと思っています。

 1月にこの世のお正月を祝い、2月にあの世のお正月を祝い、ここの人たちはお祭りが好きだなぁと感じます。そのほかの行事も大切にしますしね。これはなぜかというと、娯楽がないからだと肌で感じます。

 島内には複合商業施設はおろか、服屋も本屋もCD屋も美容院もありません。今の時代はインターネットがありますが、天気が悪いとWi-fiも調子が悪くなったりしますし、おじい・おばあが青春を過ごした時代はそんなものはありません。恐らく、人と会うことが最大の娯楽です。だから人を大事にします。小さい子供が、両親以外の島の人に頭を撫でられたり、頬をつつかれたり、抱っこされたりとか、ザラに見られる光景です。こちらについても、また改めて記事にしますね。

 人と会いたいから、人を大事にする。人と会いたいから、行事をする。人との繋がりを大切にする。これらの言葉を聞くと思い出されるのは、「人間は社会的な動物であるから、ロックダウンであっても、何かしらのかたちで社会と繋がることが大切だ」と説明していた海外の学者の言葉です。

 経済学者の三橋先生のYoutubeを見て以降、「共同体として生きる」ことの手本が、西表島にあると思います。戦前の、共同体として生きていた日本の暮らしに、いまとても興味があります。まだまだ勉強することが多いなぁ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?