ネイルという魔法

久しぶりにネイルをしてみた。

ちなみに、あまり頻繁につけるタイプではない。

こういうご時世になる前までは、好きなアーティストのライブに行ったり、友人と旅行に行ったりする、いわゆるイベントごとの時に、気分を盛り上げるためにつけていた。

でも、ここ１年ほど、ライブに行くことも無ければ、旅行に行くことも無く、どちらかというと家で過ごす時間の方が多かった。

そうなると必然的にネイルつけようという気分も起きず、存在自体忘れかけていた。

久しぶりに、知り合いと会う機会があった。

その方はいつもオシャレで、自分に似合うファッションをされていて、ネイルも欠かすことがない。

その日つけていた色もキレイだった。

「久しぶりに私もネイルしてみようかな・・・」

まんまと刺激を受けて、次の日やってみることにした。

眠りかけていたネイルセットを引っ張り出して始めてみたが、なかなか上手くいかない。

もともと器用な方ではないので、いつも自分で塗るのは一苦労だったことを思い出した。

何度か失敗して塗りなおしつつ、完成した爪を見て、

うん、なかなか良いな。

と思った。

キレイになった指先を見て、少し笑みがこぼれる。

まるでネイルは魔法のようだ。

小さい頃に見た、美少女戦士セーラームーン。

その変身シーンの中で、マニキュアが塗られていく部分が大好きだった。

魔法のようにキレイにはできないけれど、がんばって塗った後の指先には少し気分が上がる魔法がかけられているみたいだ。

今、楽しいことがおさえこまれているように感じる世間の雰囲気。

そんな雰囲気にのまれないように、自分に楽しくなる魔法をかけつつ過ごしていくのもいいかもしれない。