コロナ陽性のシングルマザー

先日、コロナに罹患した。

息子と私、同じ日に発熱したが、息子の熱が40度近くと非常に高かったので、往診でお医者様に来てもらい 、 PCR 検査を受けた。

結果、息子は陽性。私は陰性。

息子はまだ小学生だ。
ひとり親世帯で自宅内隔離など不可能に等しい。

濃厚接触者として私の隔離期間が伸びないように、マスクをつけ、家中を消毒し、可能な限り別室で過ごした(在宅勤務だったのでほぼ仕事部屋にこもっていた)。

幸い息子は2日ほどで解熱し元気にはなったのだが、隔離期間10日間は長い。
出かけられない退屈さに加えて、当然寂しさもあるのだろう。
普段一緒に過ごす時間も少ない私とずっと家にいるのだ。
私を呼び出したり、声をかけに来たりする機会も増えた。

別室で過ごすのはますます困難になった。


私の熱も下がらなかった。
陰性となっては、通常通り仕事も忙しくしていたから、むしろ数日経って四十度近い熱に上がった。

再度の PCR 検査はやはり陽性であった。

保健所からの連絡では、私の熱がオミクロンにしては長く高く続いていることが懸念となり、入院措置となった。

しかし、まだ濃厚接触期間中の息子を預ける先もない。


「子供と離れ離れになるのであれば、基礎疾患もないし、自宅療養で頑張ります」

そう伝えたけれど、息子も一緒に入院できるところを探してくれた。
とはいえ、入院先の部屋は別室、入院中の面会も許されない。

何日かかるとも言えない入院中、子供の顔すら見ることができなくなってしまう。
保健所には申し訳ないが、子どもが納得するまで待ってくださいとお願いした。

事情を話すと、目に涙をいっぱい貯めて悲しそうな顔の息子。その一方で、ここ数日ぐったりしている私の姿を見て、自分なりに考えて自分を説得させようとしているその顔に心が痛む。

息子が出した結論は、一緒に入院するということだった。
保健所が手配してくれる病院、搬送車は何時になるかわからない。

大急ぎで仕事の引継ぎを済ませ、ニ人分の入院荷物を作り、なんとか手配されたお迎えに間に合った。

そのわずか数10分の間に入院先の病院が変わっていた。
子供と一緒に大部屋に入れる病院だと言う。
これで退院まで子供に会えないということはなくなり、ほっと胸をなでおろした。
さらに病院に着いてみると、そこは大部屋ではなく二人用の個室であった。

こうして約10日間の入院生活、病室でマスクを外して、息子と話すことも許されたし、食事は出てくるし、自分の身体のことだけに専念できた。

息子にとっては、新学年始まって間もないこの時期にお休みが重なってしまったが、私にとっては食事も体調管理もいたれりつくせりで、非常に有り難いことであった。

私はたまたま息子と隔離期間が重なっていたこと。
おそらく感染者数のピークを過ぎて二人で入れる病院が見つかったこと。
小学生とはいえ息子がまだ小さく、親と隔離することによる精神的負担を考え、一緒に入院できる病院を一生懸命探してくださった方々のおかげで、なんとか乗り切ることができた。

きっとそのような状況が許されないひとり親世帯もたくさんあったことだろう。

使い古された言葉を改めて思う。
親は病気になれないのだと。
ひとり親であればなおさらだ


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