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一発芸「元カレによる自分の曲メドレー」

私の友人に「元カレ全員ボーカリスト(もしくはシンガーソングライター)」というツワモノがいる。

初めて会ったのは全然音楽には関係のない場所で、長年仲良くなっていく中でカラオケに行く機会が増えた。

ある日、当時若かった私はその友人(ここでは加奈ちゃん(仮名)と呼びたい)で徹夜でカラオケに行くことになった。
加奈ちゃん歌がかなり上手でカラオケが苦手な私でも、一緒に行くのがすごく楽しかった。

この日は酔いもテンションもめぐって、深夜2時頃に急に彼女がスクっと立ち上がり一言「ねえ、ちょっと元カレメドレーいってもいい?」と言い出した。

なにそれ、元カレメドレーって。

彼女がデンモク(今もあるのかな...)で入力しだしたのは、どれも別れた人への恋心とか、甘ったるいラブソングで唖然とする私をよそめに

泣きながら熱唱!

酔っ払い怖い!!!!!


しかも曲がロック調のものも多くて、唖然とする私をどんどん引き離し
世界観あふれるラブソングを1時間ほど聞いたところで、加奈ちゃんが一言。

「この曲全部元カレが私をイメージして作った曲なんだよね」


そんな人生、どうしたら歩めるんだYO。
むしろあなたの性癖いろいろめちゃめちゃ気になるわ。

その後、加奈ちゃんはその当時の写真を見せながら切々と自分の過去を語ってくれて、若かった私たちは抱き合いながら過去の恋愛を思い出しワンワン泣くというエモーショナルな夜を過ごした。

加奈ちゃんはずっと「人に言えない恋」をしてきていて、そんな思いがつまっている曲をたまに歌いたくなるのだという。
「マウンティングみたいな気持ち半分、懐かしくて苦しい気持ち半分なんだよね。」と笑いながら、元カレメドレーをうたう加奈ちゃんを見ながら正直うらやましく思ったものである。

歌がうまいのはよくその彼氏と歌を歌っていたからなんだって。
うらやましいな。私、すごく歌が下手だから。

かくなる私もパートナーは作曲もできるレコーディングエンジニアであり、加奈ちゃんがうらやましい私は「ねえ、私も曲作ってほしい!」と言ったら10秒で曲をあげてくれた。
「あやにーの絵かき歌」
ちがう、全然違う。そうじゃない。絵かき歌じゃない。
同じ音楽業界の人と付き合うでも、全然違うパートナーシップである。


加奈ちゃんはその後、やっぱりボーカリストと結婚し今も幸せに暮らしている。実は加奈ちゃんとは今も仲が良く、年に1度「元カレメドレーを歌う会」を開催している。

残念ながら私は元カレメドレーできるものがないのが残念で仕方がない。
私も泣きながら元カレの作った失恋ソング歌いたい人生だったな。


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