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救える命と救えない命 第五話

~消防訓練センター~

絢音:訓練センターって珍しいですね…
京子:そうだね...
○○:今日は市内の救助隊が全員集まって訓練をするからな~
絢音:なるほど。それでSRもいるんですね~
??:おい。齋藤
京子:柴川さん...
柴川:女に救助隊なんて務まるのか?
京子:・・・
柴川:あ、齋藤の上司だった山倉町救助隊の柴川です
○○:齋藤の上司の坂之上救助隊の佐々木です
絢音:坂之上救助隊の鈴木です
柴川:坂之上救助隊さんは女の隊員が二人もいるのかw
京子:・・・
柴川:現場でミスるなよ?じゃあな
(去ってく柴川)
○○:齋藤。大丈夫か?
京子:だ、大丈夫です...
○○:そうか...
絢音:なんか…あの人嫌な感じですね...
○○:そうだな...

SR隊長:それでは合同訓練を始める。訓練内容の説明は坂井隊長
坂井:それでは訓練内容を説明する...

~数時間後~

~坂之上出張所~

坂井:ただいま~
○○絢音京子:ただいま戻りました~
高瀬山崎中元丹生:おかえりなさい
○○:あ、山崎。ちょっといいか?
山崎:は~い

~坂之上出張所車庫~

山崎:どうしたんですか?
○○:山崎って柴川って人知ってる?
山崎:柴川さんですか...知ってますよ...
○○:どんな人だ?
山崎:どうしてですか?
○○:さっき訓練センターであったんだけど、齋藤や鈴木のことをバカにした感じでちょっと気になってな...
山崎:そうですか...私と京子は西消防署に一緒に配属になった時があって、柴川さんはその時の隊長です
○○:隊長か...
山崎:そして、京子は柴川さんに救助隊になりたいと何回もお願いしましたが許可を出しませんでした
○○:どうしてだ?
山崎:柴川さんが女性のことを信用していなかったんです。女が救助隊になっても足手まといだって...
○○:そうか...
山崎:京子は私が見た限りでは勤務のたびにお願いしてました。でも、許可は貰えなくて…結局は柴川さんより上の人間にお願いして救助隊員になりました
○○:そんなことがあったのか...
山崎:はい...
○○:山崎。教えてくれてありがとな
山崎:いえ

~坂之上出張所~

坂井:どこに行ってたんだ?
○○:備品整理に…
坂井:そうか...

指令:ピロピロピロ。中層建物火災。第一出動。共同住宅出火。中区坂之下2丁目4番7号。出動隊。坂之下、坂之下救急、坂之下ミニ、坂之上、坂之上救急、坂之上ミニ、中第二、中指揮、中ミニ、中はしご、中第一救急、山倉町。34分

坂井:行くぞ!
全員:はい!

~坂之上出張所前~

○○マイク:消防車災害出動します!消防車災害出動します!

救急車:救急車が出動します。ご注意ください

ウーーーーーウーーーーーウーーーーーウーーーーーウーーーーー
ピーポーピーポーピーポーピーポーピーポーピーポーピーポー

~現場前~

○○:後方よし!降車!
絢音:降車!

坂井:状況は?
下隊長:火元は301号室で3階以上の確認が出来てません。安否確認はまだです
坂井:了解。引き続き頼む
下隊長:よし!
倉隊長:山倉町隊も現着
坂井:よし。火元は301号室だ。3階以上の検索が出来てないらしいから検索をする。俺と絢音は3階。○○と京子は4階だ。山倉町は援護を頼む
全員:よし!

~現場3F~

坂井:よし、マスク付けるぞ!
絢音倉1倉隊長:よし!

坂井:横浜消防です!誰かいませんか?
絢音:居たら返事してください!

~現場4F~

○○:マスクは必要なさそうだな...行こう
京子:よし
柴川:齋藤。足引っ張るなよ?
京子:・・・
○○:・・・

○○:横浜消防です!誰かいませんか?
齋藤:居たら返事してください!
○○:一部屋ずつ見回ろう
齋藤柴川倉2:よし

~現場401号室~

倉2:誰かいませんか?

~現場402号室~

柴川:誰かいませんか?

~現場403号室~

京子:横浜消防です!誰かいませんか?

~現場405号室~

○○:横浜消防です!居たら返事してください!

~現場4F廊下~

柴川:誰も居ません
山倉2:こっちもです
○○:そうか...
京子:○○さん…何か聞こえません?
○○:え?
柴川:おい!齋藤!何言ってんだ!
○○:あそこか!

~現場402号室~

○○:横浜消防です!
京子:居たら返事して下さい!
女性1:た...す...け...て...
京子:要救助者発見!
○○:大丈夫ですか!?
京子:棚を持ち上げましょう!
○○:ああ!
倉2:手伝います!
京子○○倉2:1.2.3!
○○:よし
京子:大丈夫ですか?歩けますか?
女性1:大丈夫です...
○○:よし。要救助者を連れて避難するぞ!
京子:よし!

~現場前~

京子:救急隊!
下救1:はい!

~数時間後~

絢音:やっと鎮火しましたね…
○○:そうだな…
坂井:齋藤。お手柄だったみたいだな
京子:いえ...
柴川:おい!齋藤!現場で勝手な行動をするな!
○○:おい!お前が要救助者を見逃したくせに何が勝手な行動だ!齋藤が要救助者を見つけなかったら、さっきの要救助者は亡くなっていた!さっきから女がどうのこうの言ってるが、間違いなくお前よりは役に立ってるからな!
柴川:お前!年上に向かって!
○○:女だからなんだ!齋藤も鈴木も救助過程をクリアした立派な救助隊員だ!
柴川:坂井隊長!あなたは部下にどんな教育をしているんだ!
坂井:俺は部下に正しいことをしろと教えている。俺の部下が間違ったことをしたか?
柴川:・・・
坂井:女性隊員が居ることに文句があるなら上に報告しろ。まぁ、上は受け入れないと思うがな
柴川:チッ!
(去っていく柴川)
京子:あの…○○さん坂井隊長!ありがとうございました!
坂井○○:部下を守るのが上司の役目だ

山崎:○○さん!
○○:山崎。どうした?
山崎:京子のことありがとうございました!
○○:部下を守るのが俺達の役目だろ?
山崎:そうですね!

中指1:残りは坂之下隊と中隊に任せて帰署してくれ
坂井○○京子絢音:よし!

~坂之上出張所前~

○○:オーライ!オーライ!1m!50!ストップ!

山崎:オーライ!1m!50!ストップ!

~坂之上出張所~

坂井:出動報告書書け~
○○絢音京子:は~い


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