合法ロリ懐古記#23
卒業式の日、わたくしは入り時間の1時間前には現場に着いてしまった。全くワクワクしていた訳ではない。むしろソワソワであった。遠足の前日の心躍るあれではなく、ソワソワ故に、洗い残しが生じてしまうあれだ。全く、我ながら朝から呆れたものだ。
集まってくる面々は、心なしか寂しい面持ちを浮かべ、てはいなかった。入ってきた瞬間からみんな愉快であった。楽屋につくや否や忘れ物に気がついたトーマス氏なんかは、エゼマタ氏にパシリをさせていた。どこまでも青春高校の日常だった。
リハーサルまでの時間も、持て余すなんてことはなくメイク、歌の練習、趣味の情報交換など各々すこぶる忙しく過ごしていた。どこまでも青春高校の日常だった。
マネージャーさんに急き立てられるように本番の会場へ飛び出していっても、あの卒業式をご覧になったみなさまはわかるだろう。初っ端から「きめしゅんがたてこもる」というゴリゴリのバラエティが待ち受けていて、どこまでも青春高校の日常だった。
ここまでくれば想像がつくかもしれない。あの卒業式のエンディングまでもが、わたくしにとってはどこまでも青春高校の日常だった。ということを最初に断っておきたい。違和感はわたくしが入り時間の1時間前に某大学に到着してしまった事くらいだったのかもしれない。
お涙頂戴の文章にお涙を提供する気でいた、という方には申し訳ない。しかし、感動感動のはずの行事がこんなにも笑いに包まれる狂気さが、青春高校の魅力だとわたくしは信じている。
卒業式の内容をあたまからしりまで綴ろうと思ったら、その膨大さを前にこの記事をドタキャンしそうであるので、これまでのように楽しく書かせていただく。
それにしても、青春高校の生徒があの場に全員集まったのは奇跡だと思った。カンくんも、リモートでしっかり参加していた。なんだか凄い場であった。
次回に続くのお時間となってまいりました。次回もわたくしから見た卒業式を皆様にもお見せできたらと思う。読んでくれてありがとう。