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新型コロナウイルスへ企業はどう向き合うか 企業CSRまとめ

世界的に大きな影響を与えている新型コロナウイルス。
企業はこの危機にどのように向き合っているのか調べてみました。

東洋経済CSRランキングの上位30社を対象に調査した結果、
日本企業の対応は、大きく以下の3つに分けられます。

1.従業員を守る
2.最前線で闘う人々への寄付・支援
3.自社のリソースを活かした支援

1.従業員を守る

感染を防ぐために、リモートワークへの切り替えを進める企業や休業を選択する店舗が増えています。
これまで、リモートワークができる環境であったにも関わらず、介護や妊娠などの理由がなければ利用できなかった企業も、
この機会に全員にリモートワークを認めた企業も多いと思います。
なかなか場所にとらわれない働き方が実現しなかった日本でも、
これを機に働き方に大きな変化が起こり、もっともっと広がっていくことになるでしょう。

近年、長期的指向での経営判断が重要だと言われています。
短期的には売上が厳しい状況ではありますが、そんな時こそ「従業員保護」が重要になっています。

アメリカのESG評価機関Just Capitalが、
米企業上位100社のコロナウィルス対応に関する調査を公表しましたが、顧客対応に次いで、
54%の企業で自宅からの勤務に切り替えたり、40%が休業という選択をしています。

アメリカでは雇用情勢の悪化が進んでいますが、
この記事では企業がとるべき対応として5つの指針が示されています。

・従業員の健康と財務の安全を支援する
・失業を最小化するための取り組みを採用する
・従業員を第一に、そのために政府と協力する
・コミュニティ、サプライヤー、顧客を支援する
・経営幹部が模範となるようにリードする

まず、従業員をどう守るか、それを考え実践していくことが求められています。

2、最前線で闘う人々への寄付・支援

ブリヂストンや富士フイルムなど、医療用品などの供給支援を行っている団体への寄付や、
医療現場への機器・物資の無償提供など、
医療機関への支援を行っている企業がいくつか見られました。

また、ヤフーでは医療や生活必需品販売などの
困難な現場で対応にあたっている人々へ向けて、「Yahoo!ニュース コメント」でユーザー同士が思いを共有し合い、応援する企画を行っています。

https://about.yahoo.co.jp/pr/release/2020/04/10b/

海外でも、医療従事者への感謝を示すために街中の人たちが同じ時刻に一斉に拍手をするなど、
お金だけではなく思いを届ける・表現するということも今回特徴的な支援の一つと言えます。

3、自社のリソースを活かした支援

トヨタグループが医療用フェイスシールド(防護マスク)生産したり、
富士通が中小企業向けに特許管理クラウドサービスを無償提供したり、
NTTドコモが子ども向けにWEB教育コンテンツを無償提供するなど、
自社のサプライチェーンやサービスを活かした支援の事例もいくつかみられました。

https://global.toyota/jp/newsroom/corporate/32232844.html

このあたりはもう少し海外事例も踏まえ、
好事例を紹介する記事を改めて書こうかと思います。

今回、CSR企業ランキング上位企業の対応を調べてみましたが、
どの企業もWEBサイトのトップに「新型コロナウイルスへの対応」と記載し、自社の取り組みを分かりやすく開示をしていました。

昨今、災害等によってこのあたりの情報開示は迅速に行われるようになってきたなあ、と感じました。

どのような対応をするのか、どんな支援があるのかと考えている企業担当者の方がいらっしゃれば、
まずは、顧客や従業員を守るために何ができるのかを考え、更に自社のサービスやサプライチェーンを活かして、医療機関や教育機関などへどのように支援ができるか(不足品を充足できる様な施策など)、を考えてみると良いのではないでしょうか。

もちろん、自社の対応を分かりやすくWEBサイト等で開示しておくことも企業としての姿勢・対応を示すことができるので重要です。