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使えない教科書。

みなさま、こんにちは☆今日は本業の英語について。明日から大学が始まります。これからバタバタの毎日が始まるかと思うと少し憂鬱です。学校が始まるのが憂鬱なのは、学生だけじゃなく先生も同じだったりします。笑 なので学生さん、初回授業は緩く参加してください。今日は明日の準備をしていて思ったこと。「こんなこと習ってたらいつまで経っても英語話せないよね」と思った日本の英語の教科書のおかしなところをピックアップ。

大学では基本的に教科書を使用して授業をします。その教科書は大学側が指定していることが多く、講師は選定出来ないこともあります。(大学によりますが。)。そして今年使用するテキストは、なんと2011年に出版されたもの。今から10年前。驚きです。このテキストはオフィスシーンに特化したものなのですが、とても内容が古い。そもそも大学生にオフィスシーンの英語を教えるのもどうかと思いますが。かなり疑問です。

内容が古い例を一つ挙げてみます。実は違う大学で全く同じテキストを使ったことがあり、一番困った内容があります。それが、オフィスシーンでオフィス機器の使い方を説明するトピック。要は、機械の使いた方を聞くフレーズのやり取りをするのが目的なのですが、その中で出てくるファックス。ファックスを知らない学生ばかりで、まずはファックスの説明をしないといけないところから始まります。私の中ではこれが一番古いと思った内容です。自分もファックスを使う生活をしていないので、「この子たちが働くころに果たしてファックスあるのかな」と思うこともしばしば。

そんな不満を友人や知人に漏らすと、必ず返ってくる言葉が「まだまだファックス使っている業界があるからね」とか「うちの会社もファックス使ってるよ」と。でも私が議論したいのは、ファックスを使っているかどうかではないんです。私が議論したいポイントをお分かりの方はいらっしゃるでしょうか?

英語でファックスの使い方を聞く場面を一緒に想定してみましょう。考えられるのは、2パターン。①自分の会社に外国人同僚が入ってきた場合。②自分が海外転勤になった場合。

①自分の会社に外国人同僚が入ってきた場合。日本に所在している企業で外国人が働いている場合ですね。多くの日本人が仕事で英語が必要ないことから簡単に想像できると思いますが、英語講師か外国人登用を積極的に行っている一部のIT企業以外は、日本で働くにはN1が必要になります。N1とは、日本語能力試験の一番難しい級のことです。英検1級を想像してもらえると分かりやすいかと思います。私には日本語がペラペラなイギリス人と香港人の友人がいますが、彼らでもN1は難しくて取れないと言っていたので、個人的には本当に英検1級くらいのレベルなのではと思っています。といってもライティングとスピーキングはないから、やっぱり英検の方が難しいか。ちなみに日本の専門学校へ入学する際も、多言語での授業を日本では行っていないため、基本的にはN1取得が入学条件となってきます。

では、外国人が日本企業に就職したとしましょう。その人はまず、N1を取得しているはずなので日本語に問題はないはず。ちなみにですが、N1を持っていても多くの方がコンビニや大手飲食チェーンで働いているのが現状です。あんなにスムーズに日本語を話せる人たちが日本企業で働いた場合。恐らく英語でファックスの使い方を教える機会はないと思います。日本語で説明して問題なしです。そもそも日本企業に勤めている外国人が全員英語ネイティブとは限りませんしね。スペイン人や中国人、インド人かもしれません。そうであれば、日本語を不自由なく使いこなせる彼らに、お互いにとって第二言語の英語でファックスの説明をする日は訪れないと思います。

②自分が海外転勤になった場合。そもそも海外転勤に抜擢されるほどの方、ファックスの使い方を聞くフレーズくらい習わなくても知ってますよね?「そうか、ファックスの使い方ってこうやって聞くんだ!」って大学生の時点で言っている方が、海外転勤になる可能性ってめっちゃ低いと思います。海外に駐在したくて大手商社に入社しても、なかなかそのチャンスに巡り合わない時代。なおかつビザが下りる年数も短くなっていると聞きます。私がロンドンに住む前は、約5年間おりていたビザが、帰国する2016年ころには最大2年間しか下りないということも耳にしました。それほどまでに厳しくなっているビザ。海外転勤への切符を手に入れるには、狭き門です。

この2点から、私が議論したいのは「使う英語を習得してほしい」です。こういった謎のテキストを使っていることに、もっとみんなが疑問に思ってほしい。

英語のフレーズを覚えることはとても大事です。私自身、ロンドンで働き始めたときに、お客様への声掛けからフィッテイングのご案内、お会計までのフレーズをとりあえず頭に叩き込みました。でもここで肝心なのは、そのまま使えるフレーズかどうかです。アレンジを自分で加えないといけないのであれば、意味がありません。そんな応用が利くほどの英語力があるのであれば、フレーズをわざわざ覚える必要がないので。このファックスのフレーズも、他の機器に変えたりと応用が載ってるんですよね。でもそうじゃなくて、そのまま使えるシチュエーションにしてほしい。一生ファックスの使い方を外国人に聞くことはないと思うし、もちろんファックスの使い方を英語で教えることもないと思う。その結果、学生たちがどんな反応を示すかというと「英語って意味ないな」です。そりゃ意味ないよね。私も思います。みなさんはどう思いますか?もっとこういう事が議論できる社会になれば教育も変わるのに。

日本がグローバル社会になるのは、まだまだ先が長そうです。少しでもグローバル社会に近付けるように、明日から頑張ります!多くの学生さんが明日から新学期。コロナで制限が大いにありますが、こんな時代だからこそ気付く大事なこともあるはず。悔いのない学生生活を☆

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