見出し画像

英語を好きじゃなくてもいい。

みなさま、こんにちは☆今日は本業の英語のお話。英会話講師をしていると、「英語好きなんでしょ?」と思われがちですが、みんながみんな、そうではないよというお話。


英会話講師は英語が好き?

英語を教える仕事をしていると必ず聞かれるのが、「昔から英語好きなんですか?」の質問。この質問に答えるとすれば、「嫌いでもないけど、だからといってめっちゃ好きでもない。」というのが本音です。ロンドンに単身で渡ってから耳コピで英語を習得しているので、文法は今でも苦手だし、なんなら単語のスペルをよく間違う。友達にテキストを打つにも予測変換機能が付いているので、スペルを覚えられないんですよね。日本人が漢字が書けなくなっているのと同じ現象です。

では、なぜ私が英会話講師をしているかというと、「人」が好きだから。その一言に尽きます。きっと、多くの人とコミュニケーションを取れる方法が英語以外の言語なら、間違いなくそれを習得していた。もっと他に、言語ではなくダンスや絵を使って、たくさんの人と意志疎通ができる世界であれば、その方法を選んでいたかもしれません。それほど私にとって英語は、人とコミュニケーションを取るためのツールでしかありませんでした。


英語との出会い

小学校から英会話スクールに通っていました。正直、スクールというほど大きな規模ではなく、アパートの一室を先生が借りて運営している規模。今の私を知っている人は想像もできないと思いますが、極度の人見知りだった。幼稚園も毎日泣いて行ってたし、小学校に上がっても集団登校に馴染めず一人でトボトボ遅れて通っていた。そんな幼少期に、なぜか英会話に興味を持ったそう。自分では覚えていないけれど、「自分から習いたい」とはっきり言ったそうです。そんな極度の人見知りな私が通い始めた英会話教室。人見知りであっても、「人」には強い関心があったようでで、目の前の人がどんな気持ちでいるのか、凄く知りたかったのを覚えている。そんなある日、オーストラリア人の先生が来た。今思うと、なぜその人だったのかと思うほどハードな外見でした。スキンヘッドにたくさんのピアス、タトゥーだらけの体。見たこともない白い肌にきれいな真っ青な目。今から約20年以上も前です。親でさえ、タトゥーを見たのは初めてだったかもしれない。そんな時代。でもそこでの体験は、とても楽しく自己肯定感が上がったのを覚えている。自分の話した言葉が、目の前の人に伝わった瞬間の、あの感動。また、目の前にいる見た目も全く違う人の言っていることが分かる。この感動は、英語を使うことの素晴らしさを味わった気がします。

幼少期の私にとって、英語は人との関係を良くしてくれるツールとなった。でも、そんな楽しい日々も中学校に上がるにつれて変わってきます。高校受験の勉強をすることになり、大好きだった英語も少し自分の中で位置づけが変わってきた。さらに高校に入ってからは、進学校だったこともあり、高校3年分の内容を高校1年間で終わらせるという無謀な展開も待ち受けていた。そうこうする頃に、私にとっての英語は、なんとなく苦手なものになっていった。あんなに自由や可能性を手に入れられたツールだったのに、急に息苦しさを感じたというか。

大学に入ってから、海外に行く機会が増え、やはり英語の必要さを感じ始めた。現地の人とコミュニケーションを取りたいなと純粋な気持ちが込み上げてきたから。特に、小学生の時は外国人とコミュニケーションが取れていたのに、全く取れなくなってしまったのがとても悲しかったのを覚えている。

そんな悲しい思いを引きづりながら単身で飛び込んだロンドン。生活をするのに必死で、とにかく耳コピで習得した。そして帰国してから、みんなに英語を教えるお仕事を選んだのは、決して英語が好きだったからではない。私の場合は、人とコミュニケーションを取るのがとても大好きだから。そのことに限ると思う。


英語を習得するのに一番良い方法

英語を習得するのに一番良い方法は、自分が一体何が好きかを突き詰めた方がいい。もちろん私のように人と関わることが好きな人は、英語を習得しやすいだろう。でも、英語はあくまでもツールである。英語が目的になってしまうと、英語が好きかどうかが問われるし、きっと英語が好きじゃないと習得するには難しいだろう。

自分の好きなことを突き詰めると、英語というツールを使うことが必ずしも正解ではなくなってくることもあると思う。それこそ前述したようにダンスかもしれないし、アートかもしれない。私は英語というツールを手に入れたことで、大好きな「人」と関わる機会を増やすことができた。だから私は、英語自体がそんなに好きなわけではない。人が好きなのだ。英語習得に困っている人は、ぜひ一度立ち止まって、「英語が本当に好きなのか?」それとも「好きなことに近づくために英語が必要なのか?」考えてみてほしい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?