「辞める挨拶」を自分の過去から探した
ひとの「辞める挨拶」を読みながら、私は今までどこかを辞めるとき、挨拶をしてきただろうかと思った。
学校の卒業式は、一貫校なのに途中で抜けることで挨拶する雰囲気がなかったり、高校では入院中で欠席したり、大学では震災で中止されたりと、挨拶の機会が乏しかった。
ある職場を辞めると決まったときは、一部の上司以外は私が辞めると知らなかったから、「あれ、どこか行くの?」と声をかけてくださったひとに私は曖昧な笑顔で返して、そのまま勤務時間中の真昼間に職場を出て戻らず、それが最後の出勤