【囲碁のルール⑤】コウ
対戦が十分楽しめる囲碁のルールは以下の記事にある4つでした。
しかし、実はもう少しルールがあります。
今回のルールはややこしい部分があるので、囲碁に慣れてから覚えるのがオススメです。
ただし、実戦に出てきたら避けようがないので、できるだけ早めに覚えておきたいものではあります。
それでは現れがちな具体例から見ていきましょう!
1.無限ループ発生
例えば上の図。
白△がアタリなので、黒が取ったとします。
今度は黒△がアタリ。
白2と取ったとしましょう。
ん?どこかで見た形……。
黒3と打てば白が取れそうです。しかし、今度は白4と置けば黒が取れます……。
このままではこの勝負、終わらなそうです。
このような無限に終わらない石取り合戦が始まらないようにするルールが、囲碁にはあるのです。
2.全体で同じ形をくり返すことはできない
囲碁には全体でまったく同じ形をくり返すことができないという「コウ」と呼ばれるルールがあります。(ルールのことのほか、形自体のことも「コウ」と呼びます)
それでは先ほどの例を使って具体的に見ていきましょう。
これがスタート地点でしたね。
黒1と置いて白を取ったのまではOKです。
問題は次の白の手。
先ほどは黒△を取りに行きましたが……
白は×のところへ置いて△を取ってはいけませんでした。
×のところに置くと、右の図のように先ほどのスタート地点の図と同じ形をくり返してしまうからです。
コウのルールでは、相手に石を取られたら、すぐに取り返してはいけません。
相手を取る以外の場所へ置く必要があります。(この場合は×以外の場所へ置く)
白2と置いた後、相手も×以外のところへ置いてきたら、白4と取り返すことができます。
先ほど白2と置いたこと(更に黒3と置かれたこと)で、全体の形がスタート地点の図とは変わっているからです。
白4と取られた後は、黒が×に置けない番です。
黒5で×に置くと、白4と置かれる前の図をくり返してしまいます。
黒5と置いた後、白が×以外の場所へ置けば黒×に置いて取り返すことができます。
ちなみに相手が取り返す以外の場所へ置いてきたとき、黒3のように味方の石を置いてアタリの石(△)を取られないように守るのはOKです。
3.コウの形の例
ハジやカドでコウができたときは、このような感じになります。
4.混同しやすい例
例えばこの形。
白△がアタリになっています。
黒1と取ると、今度は黒△がアタリです。
この黒△を白は取り返してよいでしょうか?
正解はOKです。
取った後の形(左)は、最初の白2子がアタリになっていた形と□の部分が異なっています。
つまり同じ形をくり返していないので、取り返すことができるのです。
コウのルールは「相手が取ってきたら、どんなときもアタリを取り返してはいけない」と混同されがちです。
取り返してはいけないのは、あくまでまったく同じ形をくり返してしまう形なので注意しましょう!
5.今回のルールのまとめ
コウはルール自体もややこしいですが、混同しやすいものもあって慣れるまでに時間がかかりがちです。
少しずつ慣れていきましょう!
アプリやインターネット対戦を使うと、取り返してはいけないコウは強制的に置けないようになっていることが多いので、このルールに慣れやすいです。
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