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【囲碁本レビュー】手筋別 基本の詰碁150題

今回ご紹介するのは片岡聡九段の「手筋別 基本の詰碁150題」。

詰碁の筋を学びたい方はもちろんのこと、教材資料にも便利な一冊です。

1.どんな本?

タイトルの通り、詰碁で使われる手筋別に章分けされている整理された詰碁集です。
具体的には「ナカデ」「欠け眼」「フトコロ」「急所」「ダメヅマリ」の筋にジャンル分けされています。(実際の章タイトルとは違います)

レベルに関しても「10級から初段まで」とついていますが、こちらはジャンルごとに各レベル1~3問ずつくらいが掲載されています。

最終章は実戦でよく出る形などが出題されています。

2.対象棋力の目安

タイトルに書かれている通り、10級~初段くらいまでが対象だと思って大丈夫ですが、どちらかといえば初級~中級向きな気はします。
個人的には下寄りの問題が多い印象なので、上級から上の方は問題数的に少し物足りないかもしれません。

逆に10級から少し下の方でも解ける方は解けると思います。

3.オススメポイント

・ 手筋ごとに集中的に学べる
この本の最大の特長です。
よく使う筋をジャンルごとに集中的に勉強できるので、死活の基本知識を身につけたい方には最適だと思います。

・ レベルアップの具合がわかりやすい
各問題に「〇分で〇級」のような目安がつけられていて、レベルの移り変わりがわかりやすくなっています。

またレベルは1級ずつ徐々に上がっていくので、慣らしながらステップアップしていくことができます。

4.教材資料としてのオススメポイント

やはり手筋別というのが便利です。

難点は幅広く棋力を扱っている代わりに各ジャンルの同じレベルの問題が少ないことでしょうか。
ただし1~2問ずつ出題したり、例題として参照する程度であれば、同系の問題をあちこちのページ(または本)から探す手間がないのは助かります。

5.個人的な使い方

これは完全に教材資料用に購入しました。
講義などで出題傾向を揃えて問題を出すときに重宝しています。

あとは棋力の目安ですかね。
問題集についている棋力は、基本的に信用しすぎないようにしているのですが、この本に関しては「そういうレベルなのか―」と参考にさせていただいています。


死活は数をこなして感覚的にわかるようにすることも大事ですが、正解にたどり着くために必要なコツを身につけることも重要です。
詰碁を解いていて行き詰ってしまう方は、この本で死活の筋を見直してみるのも良いかもしれません。

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