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【初級編】整地のコツ

皆さん、整地は得意ですか?

ネット碁やアプリが普及している今は、対面対局の機会がなければ整地が必要ないことも増えてきました。(お読みになっている方の中には、そもそも「整地って何ぞや?」という初心者の方もいらっしゃるかもしれません)

そこで個人的に思う整地のコツを段階別に3つに分けて綴りました!
今回は石の動かし方について書いていますが、それは大丈夫という方は「中級編」をご覧ください!
整地に完全に慣れている方は「上級編」がオススメです。

1.整地の目的

初心者の方向けに整地とは何かというと、陣地を数えやすいように整える作業ことです。読んで字のごとくですね。

ただし整地の目的は、単に自分が数えやすいようにするものではありません。誰が見てもすぐわかるように整えることが大切です。

囲碁は一つ一つの対局(試合)に審判がつくことは、基本的にありません。
開始から勝敗決定まで、対局者のマナーや良心が問われるゲームです。

特に整地は勝敗を決める大事な部分。トラブルのないように注意を払うことが大切です。

2.整地に入る前にしておきたいこと

終局時、陣地は図のように入り組んだ形をしていることが大半です。

終局図

整地では、このぐちゃぐちゃした陣地を四角く整え、掛け算で計算できるようにしていきます。

ただし整地に入る前に、必要に応じて踏んでおきたいステップがあります。それは死に石を取り上げることです。上の図ではAの白石が該当します。

陣地を整えながらでもできる作業ですが、後述のように陣地内の石を動かしているうちに、死に石だったのかわからなくなってしまうことが時々あります。
そうなるとトラブルの原因になるので、死に石がある場合は、本格的に整地に入る前に取り上げておくことが大切です。

3.具体的な整え方

陣地を数えるとき、同じ色の陣地同士であれば、中の石を移動させることができます
実際に見たほうが早いので、図を使って説明します。

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図は先ほど出てきた終局図です(死に石だったAは取り除きました)。
整地をする際は、まず陣地を凸凹させている石に注目します。この図では、黒△、〇、白×、□です。

これらを次の図のように移動をさせると、四角くスッキリします。

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ちなみに★のように、陣地内に相手の石が露出してしまう場合がありますが、どちらの陣地かわかる程度であれば大丈夫です。

また同じ色同士であれば、離れた陣地間でも石の移動ができます。
例えば次の図の黒△。

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下方の黒地にある凹んだところに移動すれば、綺麗な四角の陣地になります。

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そして忘れていけないのは、取り上げた石(アゲハマ・死に石)。
この例題図には、黒側に白1子がありました。こちらも忘れずに陣地に埋めます。

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この取り上げた石を埋める作業があるのもあって、相手の陣地を数えます。

初心者の方など、整地が不慣れな方であれば、まずは四角く整えるだけで十分です。
よって今回は、これで完成図とします。あとは各所の陣地を数えて合計を出すだけです。

実際に数えると以下のようになります。

  • 黒地……右上18目+真ん中5目+下辺18目=41目

  • 白地……左辺33目+右辺10目=43目

結果は白の2目勝ちです。

4.危険な整地のしかた

整地のとき、大事なことがあります。
それは境界線を壊さないようにすることです。そのためには、境界線の薄い場所から石を動かさないようにすることが大切です。

例えば下の図のように×の石を動かすと、△の部分が危険になります。

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石を動かすときは、境界線の厚い場所端のほうにある石を選ぶのがコツです。端は石で境界線をつくる必要がないので、その辺りも利用します。

また陣地の中には、どうしても凸凹が綺麗に整わない形もあります。
そのときは無理に四角くしようとせず、妥協するようにします。

5.まとめ

(1) 整地は誰が見てもわかるように陣地を整えることが大切
(2) 陣地の境界線を壊さないように四角く整えていくのがポイント
(3) 整地に入る前に、陣地の中にある死に石を取り上げておく

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