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沈黙のパレード

酒を飲みながら邦画ばかり観ている。

以下ネタバレあり。

①コンフィデンスマンJP 英雄編
最高。ダー子が負けるわけがない。そして解散なんて絶対させない。続編をまだまだ観たい。
東出さんも不可欠な存在なので出続けてほしい

②あのこは貴族
1度観ていたことに途中で気付いた。でも面白いので続行。東京のお金持ちの生活が垣間見られて面白い。華子の実家は松濤。華子パートは江國香織さんの小説っぽい。
華子の友達の長身バイオリニストと美紀の友達の起業する女性が特に好き。自分軸がしっかりしている女性が好きだ。

③沈黙のパレード
①②は観て良かったと思える映画だが、ここでミス。ガリレオシリーズ1作目の映画である「容疑者Xの献身」が素晴らしかったことが逆に仇となる。

まず、物語の中心人物である佐織(のちに他殺)のキャラクターがよく分からない。序盤までは「歌が上手く、素直な性質で、街のみんなに愛される女の子」という演出であった。が、消息を断つ直前にお世話になった音楽家夫妻の妻に暴言を吐く。なんとも理不尽で幼稚な暴言だった。彼女の仇を取るために町のみんながあんなリスクを冒すだろうか。

さらに消息を断つきっかけとなった佐織の妊娠。映画では彼氏の子であるとされているが、個人的には音楽家夫の子供ではないかとの邪推ができる。

歌の才能を見出されて音楽家夫妻の自宅に住み込んでレッスンを受ける日々を経て、歌手としてデビューする直前に「彼氏と結婚したいんでやめますぅ」→無責任にも程がある。

佐織の妹を意味深に映し出すシーンが何度かあり、佐織の殺害に妹が関与しているかと思いきや全くのシロであった。なんなん。

最後のシーン、佐織の元彼と妹が墓参りをするシーンがあるが、元彼や妹の表情を見るに2人には何らかの関係性が生まれている。佐織の復讐に燃えてたんじゃないのかよ。切り替え早。

町の夏祭りが薄気味悪い。出来の悪いエレクトリカルパレードのようなもので、大きなハリボテ(山車)と共に割とガチで仮装した人たちが練り歩く。佐織が属していたコミュニティから推測するに「ムラ」規模の町であると思っていたが、各県から精鋭が集まる祭りらしい。意味深に映し出されるクレオパトラに扮した女性は女優か何かだろうか。町の規模が不明。

佐織を殺した人物について二転三転するが、結局は最初に疑われた人物が犯人であるという結論に収まる。彼は佐織との接点がなく、とある人物を強請るために殺害を犯したとされているが、動機がいまいち不明。


とにかく疑問点が多い映画だった。原作を読めば佐織の人となりや容疑者の犯行動機が見えてくるのかもしれないが、私は東野圭吾さんの小説があまり好きではない。特に、この話のような登場人物の多いものになってくると誰が何なのか分からなくなる。本当の小説好きは裏表紙に関係図を書くらしいが、そんな仕事みたいなこと娯楽である読書でしたくない。

容疑者Xの献身は、松雪泰子さんの美しさ、その娘さんの純粋さ(小説内ではキモいおっさんとされていた石神に対し、無邪気に「石神さーん!おはようございまーす」と橋の上から手を振る)、堤真一さん扮する変人・無感情・数学変態おじさんである石神の演技が素晴らしかったから成り立っていたもので、そもそも東野圭吾さんの小説に一貫して現れる「自己犠牲のための殺人」「思慮や計画性に欠ける女性(要は『バカ』)があまり好きじゃない。

湯川先生も言っていたが、人を捌くのは法律(司法)であり、被害者じゃない。そして揃いも揃って頭の悪い女(有名コピペである、バッテリーあがりの車について知人男性に電話で相談するバカ女のような)が出てくるのがはっきり言って面白くない。

エンドロールでこれまでの映画のダイジェストが流れていたので、ガリレオシリーズはこれで完結すると思われる。お疲れ様でーす。

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