「アレは本当なんやったんや」という感じの想い出


※下ネタ注意


大学2年の春休みに、青春18きっぷでも使って旅に出ようと思った。



それをそのままSNSにつぶやくと、
N県の大学に進学した、高校の同級生U君から反応があった。


 「どこに行くか悩んでいるなら、N県においでよ!」


N県はわたしが住んでいた県の隣の隣の県であった。
春休みに行くにはちょうど良さそう。


 「検討するー!」


返事をするやいなや、直接連絡が来た。


 「来てくれるなら、俺の家に泊めてあげるからさ!」


泊めてあげる…?


 「ネットカフェに泊まるからいいよ!」

などと返信しつつ。


そもそも高校の同級生U君とは、今まであまり仲が良かった記憶もない。

なぜかSNSでフォローしあっているだけの関係だった。


泊めてあげる…?



下心ってこんなくっきり見えるもんだったっけ???

もっとこうチラッと見え隠れしたり、目を細めたらかろうじて見えたりするものじゃなかったっけか??

今のところめちゃくちゃ太字じゃない??
駅前の看板くらい主張が強いけど、大丈夫????


まぁいいか(と思ってしまうのもどうかと思うが)、
これを機にU君のことを知るのも悪くない。

どこまで知れるかわからないが、この時点でなんだか下半身のことまで知れそうである。

特に嫌いなタイプでも無かったし、
もし何かしらあったとしても交友関係が特にかぶってないのでまあ別に良いかと思った。


元々N県にも行きたかったし、いっちょ行ってみよう!!!




出発日はバイトがあったので夕方に住んでいる街を出て、
夜にN県に着くことになった。

そこでU君に泊めてもらい、次の日一人で観光することにした。



当日までの間に、やっぱり泊まったりなんだりが面倒だと思い、

 「ネットカフェに泊まるよ!」

3回くらい言ったのだが、

 「泊めてあげるよ!」

3回くらい返ってきたので諦めた。


手を出したいだけのはずなのに、「泊めてあげる」だなんて恩着せがましくない?と思いながら。


 「あーもーこれ絶対やるやつじゃん」

 「まあ良いか」

 「これでやらんかったら逆に面白いな

と思っていた。



当日、U君は駅まで迎えに来てくれていた。


U君の家では懐かしい話などをしつつ、

案の定試合が開始される流れになった。


こんなにベタに手を出してくるなんて、絶対ネタにしてやる…!!

と心に固く誓った。(そして今それが叶っていますありがとう)



とはいえやっぱり、U君に手を出されてもテンションが上がらない。


別に元々好きでも無いし、

向こうがわたしのことを好きなわけでも無いし。

ここまでの流れがあからさま過ぎたし。


「やるのかやらないのか」その精神的せめぎ合いが一番面白いのに!
メインディッシュが無いじゃん!!


やる気がなさすぎてわたしはお魚さん状態であった。そう、今日のメインは魚なのである(?)。


執拗に攻めてくるU君、やる気の無い死んだ魚のようなわたし。

何この空間…これが地獄ってやつなのかい??


気持ちものっていないし、それ故たいして気持ち良くもない。
むしろ不快、不愉快。

はぁ…何か面白いことでも起きないかなぁ…

と思っていたその時、




U君がパァンと手を叩いてハキハキとこう言った




 「はい!交代!!」




し、審判!!!!?


審判出た!!!!


ホイッスルが鳴らなかったのが不思議なくらいのハキハキとした声、声量。


あ、先ほど開始された試合って、本当に試合だったの!?!?


ていうか交代!?交代って何!?!?!?

今まではわたしが守備だったのが攻撃にうつるということだろうか。

わたしは一体今まで何を守っていたというのか?貞操…?(それはもう手遅れである)


完全によくわからないが、隣で裸でゴロンと横になったU君。

受けて立つぜ…!とでも言ってそうだった。言ってはなかったけど。


わたしのあまりのやる気のなさを見かねたのか、自分も攻めてほしくなったのか、その両方なのか。


とにかくわたしのターン!ということらしい。

しょうがない。


全然乗り気では無かったが、一旦ちょっとくらいは何かしようと思った。

何かしらしているうちにやる気が出るかもしれないし。

出ないかもしれないけど。



とりあえずU君の胸の突起から攻めていくことにしたのだが…

ここでさらなる問題が発生した。



U君、めっちゃ喘ぐのだ。


いや別に男性が喘いだって良い(©️ぺ〇ぱ)んだけど…


クセがすごい(©️〇鳥)のである…。



U君、アンアン言うのだ。

文字通り。アンアンと。


「アンアン」って…

「ン」言う???????そんなにハッキリと????????

普通カオナシ的感じにならない????ねぇ?????


もう渡〇謙の娘を呼んでいるのか、
ドラえもんの主題歌なのか、

はっきりしてほしいレベルであった。


あまりにもハッキリと「アンアン」言われるので、

そのうち脳内で漢字変換まで行われ始めた。


案なのか餡なのか。安?庵?暗?

わぁぁ、結構いろんな漢字があるねぇ!




…ハッ…わたしは一体何を…!?!?!?




いや本当に何をしているんだろう?


別にU君のことは嫌いじゃないけど別に好きなわけでもないし、

そもそも旅行しにきたのはずなのに、なんでこんなことになってんの?


今までに学んだテクニックを、
好きでもない男の乳首に生かしてる場合じゃなくない???


ネカフェに行きたかったのに「泊めてあげる」と恩着せがましく言われ、

手を出されたかと思ったら審判が現れ、

今はドラえもんやらカオナシやら女優さんまで現れて…


 えっこれは何!?!?

 なぜこんなことに?????

 あ、面白いこと起きないかなって思ったから???


 これって面白いの?????


突然我に返ったがそこには全裸の二人。

これが地獄ってやつなのかい??(2回目)



今ここにもう一度審判が現れて、

 「はいっ!試合終了!!!引き分け!!!」

とでも叫んでほしかった。


手が止まったわたしを不思議そうに見るU君。

 「ごめんちょっと…」

そう言うと察したようだった。


そのまま服を着て、背を向けて寝た。



次の日の朝は、猛烈に気まずかった。

ほとんど無言で駅まで送ってもらった。



わたしはといえばその日は観光する予定だったのだが、

猛烈な心身の消耗により帰宅することにした。

ほんと何しにN県に行ったんだ




それからU君には一切連絡をしていなかったのだが。



数年後、

「大学の単位を取り切ってあの家を引き払ったから、
 もうアヤメちゃんを呼ぶことはできないんだ(泣いてる絵文字)」

と連絡が来た時は本当にびっくりした…。


 え????行かないけど?????

 そもそもあの後誘われてもないし…なんなん!?!?



全体的によくわからない出来事であった。



※流されるのもほどほどにしましょう!

※好きでもない人の家に泊まりにいくのはやめましょう!

本を買って読んで語彙を増やしたり、楽しいことをしようと思っています!それでまたネタを増やして記事を書きますね!!!