植えられたトラウマ

※下ネタ注意

※食事中注意

心的外傷（しんてきがいしょう、英語: psychological trauma、トラウマ）とは、外的内的要因による肉体的及び精神的な衝撃（外傷的出来事）を受けた事で、長い間それにとらわれてしまう状態で、また否定的な影響を持っていることを指す。（Wikipediaより）

高校生の頃、友達の紹介でいわゆる「メル友」ができた。

　（関係ないけど今はメル友のことなんて言うんだろうね？？）

その相手をＡ君とする。

Ａ君は隣のちょっとヤンチャ目の私立高校に通う同級生だった。

紹介された当初はそんなに期待もしていなかったのだが、
写真をもらうとクール系のシュッとしたメガネの割といい顔だった。

メガネ好きのわたしは、俄然テンションが上がった。

毎日せっせとメッセージを送り合っていたのだが、
ついにわたしの部活とＡ君のバイトの無い日に、会うことになった。

これは、たぶん付き合うことになるな。

わたしの中の名探偵はそう推理した。

わたしとＡ君の高校の中間、から少し外れたところにある公園で待ち合わせをした。

お互い事前に写真を送りあっていたため、問題なく会うことができた。

Ａ君はわたしのこと、写真通りだと思っているかな？
騙されたと思っていないかな？などと思いながら。

少し話をした後、案の定Ａ君から

　「付き合おう」

と言われ、

　「うん」

と可愛く答えた。

Ａ君は、

「やっベーテンション上がってきた！！」

と言いながら、立ち上がり、

少し離れて…

ポケットから出したタバコを吸い始めた。

ええええええええええええええええええええ

今！？

それ今！？！？！？

二人とも学校帰り、高校の制服である。

わたし、一応進学校。

タバコなんか見つかったら停学？退学？

　わたしが吸ってないからいいのかな？

　でも近くにいるし…共犯（？）と思われても困る！！

とにかく一刻も早く吸うのをやめて欲しかった。

がしかし、今付き合ったばかりで、どんなテンションで言ったらいいのかわからない。

　「Ａ君ってタバコ吸うんだ…」

と呟くしか出来なかった。

すると、

　「あ、匂い苦手？」

と今更聞かれた。

「ちょっとね」

「ごめん、すぐ消すわ」

そう言いつつも吸い続けるＡ君。

いやもったいないんかい！
なら消すって言うなよ！！！

あぁ〜やめてくれ！！！

本当にやめてくれ！！！！

澄ました顔して内心はハラハラしていると、
やっとタバコを消したＡ君がこっちに向かってきた。

あまり人気のない公園だったので、
タバコ現場は見られてはいないようだった。

危なかった。

ホッとしたからか、
笑顔でこちらに向かってくるＡ君が、ちょっと可愛く見えた。

そして…

そのままＡ君の顔が…

近づき…

キスをされた…

のだが。

（良い脳内ＢＧＭを流していた人はここらで止めておいてください）

濃厚なチッス

だったのだが。

わたしは思った、

『え？？？？？キスってこれで合ってるっけ？？？？？？』

と。

当時経験が少なく、比べるものがあんまり無かったのだが。

ディープキス…

ベーゼ（フランス語）…

口吸い…

いや、やっぱりおかしくない！？！？！？！？

名称をいくつか思い出している場合ではない！！！！

Ａ君！！！！！！！！！！！！

わたしの！！！！

顔の！！！！下半分！！！！！

全部舐めないで！！！！！！！！

そう、Ａ君は、わたしの鼻の下のラインを赤道とすると、
その南半球の半分…例えの方がわかりにくいな！！！

要するに、鼻の下から頬から顎まで、

とにかく全体的にベーロベロベロベロ

とにかく表面をベーロベロベロベロ

ベーロベロベロベロ…

そんなとこまで口はない！！！！！

わしゃ口裂け女か！！！！！！！！！！

あとさっきタバコ吸ってたからくさい！！！！！！

もう鼻の下から頬から顎までＡ君の唾液でビッチョビチョ！

え、キスってこんなんでしたっけ？？？？

こんな浅瀬の広範囲でパシャパシャやるやつだった？？

もっと深海に攻めていくんじゃなくて？？？？

わからん…わからんけどとにかく！！！！！

一刻も早く拭きたい！！！！！！

もうこれ溶けるんじゃないかと思うほど顔面をビチョビチョの刑にしてくるＡ君をスッと押して、

　「そろそろ帰らないと…」

と言って、帰ることにした。

それから、自宅まで人生最大の猛スピードで自転車を漕いだ。

いつも２０分かかる道のりをたぶん１０分くらいで帰ったと思う。

片手運転で。

離した片手は、ずっと顔の下半分を拭いていた。

早く、帰りたい。

帰って顔を洗いたい。

猛スピードで帰宅後、

　『いやぁチャリで帰ってきたから汗かいちゃったなぁ〜』

みたいな顔をしながら、

顔を洗うふりしてめちゃくちゃ口付近を洗った。

というかほぼ顔なんだけど。顔半分やられたし。

もう顔の皮剥けてもいいと思うくらい、洗った。

それ以来わたしは、

　『え？キスってどうやるんだっけ？？』

　『うわっ…なんか…嫌かも…』

と思ってしまうようになりました。

ってかまぁ苦手意識が高く、いまだによくわかっていません。
（キモいカミングアウトをすな）

っていうかあれ、みんなどこで学ぶんですか？？？

どうなってんのあれ？？？

なんとなくノリでやってみるものの、

　「これで良いのか…？？？？？？？」

　「うわっ…」

　「唾液〜！！！！！！！！」

などと思ってしまって集中できた試しがありません。（集中しろ）

全てはあの時のＡ君のせいなのでした。

数年後のFacebook全盛期にＡ君から申請がきたから繋がってみたら、

毎朝「おはよう^^」って送ってくるからブロックしたのはまた別の話…

※つづかない！

↓ほんとキスには碌な思い出がないよねって話