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はじめましての人も、そうじゃない人も ⑫

はじめましての人も、そうじゃない人もこんにちは、秋山あやです。
自己紹介を兼ねて、自分のこれまでとこれからを綴っております。今回が12
回目です

1〜11回目はこちら↓

妊娠がわかった産院は、双子を産むと決めたところで
「ここは双子の分娩を取り扱ってないので大きい病院へ移ってください」
と転院を進められた。
いろんな人に相談したけれど、双子の出産はリスクが高く、設備の整った大きい病院で帝王切開というのが定石のようだった。
自然分娩をしたくていろいろ抵抗したり、病院を調べたりしたけれど、どうにも無理そうで、
そんな時
「双子は出産時トラブルが多く、医療のお世話になることが多い。でも、そこに介在してくれる医療のおかげで双子の出産率、生存率が上がったんだよ」という双子母からの助言で、迷いは消えた。
(余談だけど、出産後訪れた母乳外来で「母乳にこだわりすぎなくていいよ。元気の育つための母乳だし、ミルクだから。元気に育つことが最優先事項だから」と言ってもらえて心が軽くなった。)

すべてが思うようにいかず、ジレンマも多かったけれど、無事双子は産まれてきた。

小さくて、愛らしくて、かわいい双子。

大変だった…のだけれど、このころのことはあまり覚えてない。

家族で必死に毎日を生きていた。
実家の母も当時生きていた祖父も一緒になって生活を回していた。
綱渡りだった。
自分の思うようにいかず、双子を抱えて授乳する自分を「動物だ」と何とも言えない感情になるときもあった。
5人の子どもたちと過ごす生活がいとおしくて仕方ない日も、
母というカテゴリーの閉じ込められ、世の中からは必要のない人のように思えて悲観する日もそのどちらもの感情が私に降り注いだ。

母であることに精一杯であることは、
一人の人としての私を置いてけぼりにしているようで、苦しかった。

誰に対しても不満はない、だけど、生活するのにいっぱいいっぱいになっている自分が、「生活」という檻に閉じ込められていると思えて仕方なかった。

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