酔っ払ってときどきは胸がギュってなるけど君だって切実な日々を生きているでしょう

以前の私はとても恋愛体質だった。
すぐに好きな人を見つけ、アタックし、付き合い、別れ、また別の人と付き合い…
誰かを好きになるのは楽しいし、好きな人と出かけたり、連絡を取ったりするのが最高に楽しかった。
長らくの友達から付き合った元彼は性格や考え方は合っていないが相手の好き嫌いがお互いに分かっており、音楽の趣味や食の趣味がめちゃくちゃ合うセンスがいい、歌がとても上手な人だった。
デートは彼がいつもとびっきりを紹介してくれた。
オススメするラーメンを一緒にすすって、ホルモンを一緒に食べて、お酒を飲んで…美味しいと2人で笑顔になった。
彼が歌うアジカンを聴いて、アジカンにハマり、King Gnuにハマり、レイニーブルーに心打たれた…私の歴史に名を刻む男であると断言できる。
だが、やはり性格や考え方が合わないことから結婚は続かないだろうなぁと勝手に思って彼とは結婚しなかった。

子どもは全く欲しくなかったが、周りが結婚ラッシュだったし、色々と恋愛もしてきたため、そろそろ落ち着こうかなくらいの気持ちで落ち着けそうな無難な人と結婚した。
しかし、スピード離婚と呼ばれる速さで結婚と離婚という人生でも大きな山を越えることになってしまう。
結婚山を登るのはロープウェイのように簡単で、離婚山は重荷を背負って富士山を登っているのではないかというくらい過酷だった。
実際、重荷を背負ったように体が重く、頭も重く、気分も重かった。
毎日家で暴れて泣いて、頭を掻きむしり酒を飲んでいた。

それから恋愛体質ではなくなってしまい、それどころか他の物事にもどこか達観したようなどこか冷めている気持ちになってしまった。
もう何もかも別の世界になってしまったんだ…。

あぁ…こんなことになるならせめて人生で一番好きだった人と結婚すればよかったなって本気で後悔している。
性格や考え方が合わなくても一緒にいて楽しかったし、私のことを大切に思ってくれていたし、尊敬できる人だった。

人生で通らなくてもいい道を色々通ってきたので、"過去に戻れたら"と考えたことは今まで山程あるけれど、彼と結婚した未来はどんなものだったのだろうと想いを馳せながら私は今日も「触れたい確かめたい」を聴く

私の忘れたい思い出と忘れたくない思い出のうちの一つ


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