見出し画像

クリエイティブな人は、他人に嫌われても自分を生きていく


私は人に優しいといわれるけど、本当はそうでもない。好き嫌いはとても激しい。相手をギリギリまで理解しようとするけど、どうしても無理だと判断するとさっと離れる。我ながらやっかいでめんどくさい人間だ。

見かけはおとなしく優等生タイプに見えるが、ほんとに思っていることを話し始めると驚かれてしまうような、まあ、自由人だ。

子どもの学校行事などでほかのお母さん方を見ると、公立中学なのでそれぞれ様々な家庭事情があるとは思うものの、「ここからここまでね」といわれているみたいに、ある範囲の中に見事におさまっている。私も見た目はふつうのお母さん、なのかもしれないが、中身がなにせ中身なので皆さん立派だわ、と引け目を感じたり、一方で、私はこの中にすっかり閉じ込められてしまい、ここからでることなどないのだ、というような閉塞感があったりする。

自分が、お母さんカテゴリーに入っていることが非常に居心地が悪い。大丈夫、ちゃんとおさまってるよ、となぐさめられると、そうじゃないと心の中で反発してしまう。かといって目立ち過ぎればジロジロ見られたり、色々と不愉快な扱いを受けることが簡単に予想される。見かけだけでも範囲内に収まっている方がめんどくさくない。普通のお母さんに擬装している方が楽だ。

めんどくさい、と自分らしく、をはかりながら、毎日生きているもやもや。

そんな時、ビリー・アイリッシュの『bad  guy』を視聴すると、

心底なぐさめられる。

ビリー・アイリッシュ、動画冒頭に口から何かを手で取り出し男性の手のひらにのせ、白シャツを着ているのに鼻血を流し、血のついた手で顔を触る。人によっては嫌悪感しかない内容だ。彼女の衣装も一般的な洋楽女性ミュージシャンのように、露出の高いセクシーなものではなく、ぶかぶかのスウェットやシャツ。

ビリー・アイリッシュは、2020年第62回グラミー賞受賞。グラミー賞、ご存知の方も多いと思うけれど、今日世界で最も権威ある音楽賞のひとつとみなされており、テレビにおけるエミー賞、舞台におけるトニー賞、映画におけるアカデミー賞と同列に扱われている。

『bad  guy』は2019年大ヒットした。日本でも、ドラマの主題歌に使われたし、どこかで多分、聞いたことがある曲だと思う。

bruises
on both my knee for you
don't say thank you or please
i do what I want
when I‘m wanting to
my soul?so cynical
青あざが
この膝についているのはあなたのため
言わないでよね
「ありがとう」とか「お願い」とか
私は自分のやりたいことをする
自分のやりたい時にね
私の本心?   すごくシニカルよ


「bad guy」歌詞・対訳   ユニバーサル・ミュージック・ジャパンより一部抜粋


自分を生きる、ということで紹介したい動画、もう一つ。


サム・スミス。トップ画像のミュージシャン。

このMVには男性ダンサーしか登場しない。男性だけで見せるダンスの振付けは、実に優美で圧巻。「男性らしさ」と若干違うテイストに抵抗がある人にはつらいと思うけれど、完成度の高いダンス。一度見たら忘れられない。YouTubeで偶然目にしたこの動画、私も最初は驚きしかなかったが繰り返し再生してすっかり魅せられてしまい、娘の葵ちゃんと振り付けをコピーして踊っていた。

彼、サム・スミスもまた2015年第57回グラミー賞授賞。

2014年5月に彼はゲイであることを公表した。
LGBTに対する理解はずいぶん進んだとはいえ、自分がゲイだと公に認めるのは相当の勇気がいることだっただろう。それでも、公表したのは自分に正直に生きていくため、同じ生きにくさを抱える人たちに勇気を与え連帯するためではないか。


自分らしく生きる、という言葉をよく聞くようになったけれど、それは、ちっとも楽じゃなく、面倒なこと。一歩間違えればいつでも社会や世間から袋叩き、爪弾きにされる危険性がある。心身ともに傷つき、今まで築いた社会的信用、人気、名誉など一気に失うこともある。

かといって、社会に認められることだけを追求し、自分がそうありたい自分であることを放棄すればむなしさや、欲求不満が心のうちに広がるのだろう。

どうすればいいのか、という答えは、

無限のグラデーションの中にそれぞれの人が自分で見出していくものだと、私は思う。


色々と、目慣れない動画をお見せしてしまったおわびに。

アマゾンプライムのオリジナル映画『シンデレラ』より、主演カミラ・カベーロが歌う、『million to one』。

いわゆる金髪美女ではない、キューバ生まれのカミラが演じるシンデレラ。モチーフはシンデレラだけど、相当に現代的で型破り。歌も素晴らしい。正直期待しないで見た映画だったが、楽しめた。


この企画に参加させていただいています。本日まで。





チェーンナーさん、ありがとうございます!













読んでくださって本当にありがとうございます☆