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乳がん告知後、セカンドオピニオンから転院するまでの話

がんを告知された後に、転院について考えたり、セカンドオピニオンについて調べたりすると思います。
ところがGoogleで検索すると「セカンドオピニオンとは、治療方針に不満があった場合、今後も現在の担当医の元で治療することを前提に他の医者の意見を聞くこと」「セカンドオピニオン=転院ではありません」などと書いてありませんか?
私はこのせいで大いに悩んでしまいましたが、結局はセカンドオピニオンを活用して転院をしました。そしてあの時に転院しなければ本当に命を落とす方向へ真っ直ぐ進むところでした。


セカンドオピニオンで転院活動してOK

私は初発ステージ2bですので、再発や初発ステージ4の方とは状況がかなり違うと思います。事前にご容赦ください。
まず最初に言いたいのが、セカンドオピニオンを活用して積極的に転院活動して全然OKだということです。
私の場合、最初にGoogle検索をした時に大病院がこぞって「セカンドオピニオンは転院のためにやるものではありません」みたいな記事をアップしているため、とにかく「転院を目的にセカンドオピニオン使っちゃいけないんだろうか…」と、尻込みしてしまいました。
自分の命に関わる話なのにわからない事だらけで不安な中、しかも主治医に言い出しにくい内容の話で「セカンドオピニオンとは〜」みたいに言われると、一歩がどうしても動き出せなくなります。
「セカンドオピニオンとは〜」なんていう、病院都合の話は無視しましょう。
命がかかってるのは患者の我々の方なんですから!

そもそもよくわからないので治療方針に不満はない

大体の方は最初にがん告知をされて治療方針を出されても不満はない…というより、よくわからないので不満の出しようがなかったりすると思います。
それよりも「雰囲気的に主治医と相性が良くない」とか、「主治医の話し方が理解できない」「今までの診察の流れから不信感がある」といった漠然とした不満の方が大きかったりするんじゃないでしょうか。
命をかけた大事なパートナーになるので、こういった漠然とした印象だとしても解決できそうにないようであれば、私は転院を考えてもいいと思います。
もちろん一刻も早く治療しなければならない中で悠長にしている時間はありませんので、決断力が問われます。

評判のいい病院に転院したいから、でもいい

治療方針に不満はないけど評判のいい病院へ転院したい…でもこういう場合はセカンドオピニオンを受けちゃダメなの?と悶々としてしまうことも多いと思います。
セカンドオピニオンしてOKです!
もし「今の病院の治療方針に間違いはないと思います」と言われるとしても、セカオピ先の病院や先生の雰囲気を直接肌で感じられることはメリットです。その際に、その場で転院希望であることも伝えてしまえば話は早いと思います。
webやyoutubeを検索していると、標準治療ならどの病院で治療しても同じだから「自分の家から近い病院がおすすめ」なんていう話が出てきがちですが、たとえば手術ひとつとっても経験の高い医師に執刀してもらうかそうでないかでその後のQOLが大きく違うこともあります。X(旧twitter)で知り合った乳がん仲間から、センチネルリンパしか切除しなかったのに腕がなかなか上がらないなんていう話もよく聞きました。本当はここで治療したかった、などと思っている病院があるなら、行動を起こしていいと思います。

治療を遅らせないために最短で決断する

ただし、セカンドオピニオンのせいで治療を遅らせて命に関わるというようなことがあってはいけません。手当たり次第ではなく狙いを定めて最短で臨むべきだと思います。
私は転院希望先のがん相談支援センターに電話し、転院前提のセカンドオピニオンに行くという相談をして、最短で予約を取った上で行動を起こしました。

セカンドオピニオンしなかったら死に向かうところだった私の体験談

私の場合、治療方針は手術先行ということで提示されていてそれに対して特に不満があるわけではありませんでした。
ですが過去に誤診で乳がんを見逃されており、初診から告知までの流れにもずっと漠然とした違和感を感じていて、この主治医の元で治療していいかどうか疑問に感じているところでした。
なので、「転院活動」のためにセカンドオピニオンを受けることにしたのです。

ちなみにこの時は、CTでもMRIでもリンパ節転移は見られないので手術後はすぐ妊活を再開して問題ない、何故なら最近POSITIVE試験という臨床試験の結果が出て、ホルモン陽性の患者がホルモン治療せずに妊活しても問題ないという結果が出たからだと言われ、乳がんって言っても大して人生に影響はないんだな〜と思いながら過ごしているところでした。

セカンドオピニオン先でその事を伝えると、これがとんでもない間違いであることがわかりました。

POSITIVE試験とはそもそも最低1年半〜2年の術後ホルモン治療を完了した患者さんが治療を中断して妊娠出産した場合の再発率をみる臨床試験であって、「無治療でいいということでは断じてない、大変危険だ」と。
しかも「あなたの針生検での病理は浸潤がんなので、そう簡単な話ではない。幼い子のためにもしっかり生きることが大事でしょうから、妊活は諦めた方がいいですよ。」と言われたのです。

この時に初めて、がんになったことを深く自覚し、ショックで自然と涙が溢れて話ができなくなってしまいました。
ですが、この瞬間にハッキリ転院する決意もできました。

何となく流れに乗ったまま治療をこなしてしまっていれば、転院のための行動を起こさなければ本当に死に向かって進むところでした。
まさか都心の大病院の専門医である乳腺外科医が、臨床試験の結果をこんな浅はかに解釈間違いしているとは思いませんでした。そのまさかがあったのです。
結果的にセカンドオピニオンして本当によかった、ということになったのです。

主治医に対して違和感を感じたら、そのままにしない

私の体験談は極端な例でもありますが、このように「標準治療だからどこの病院で治療しても同じ」と言いながら、主治医の解釈によって提案される治療が大きく異なる場合は結構存在します。例えば抗がん剤治療を行うかどうか、その場合どの薬剤を使うかなどは、同じ病状でも病院の考え方で結構違うと感じます。
主治医と信頼関係が築ければ「納得して」治療することができます。乳がんに限らず、がんという病気は色々なことが不安になったり落ち込んだりメンタルにくるものがありますので、この「納得して」というのはかなり大事だと思います。
主治医に違和感を感じたまま悶々と治療して、自分の考えていたものと違う結果が出た時には更に悶々とすることになると思います。
納得していない状態であれば、セカンドオピニオンに行ってみるのもありだと思います。

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